美容鍼の目的と効果

美容鍼灸では、お顔周りの筋肉の左右差やコリ、肌質や皺、浮腫みの改善などを目的に施術していきます。

鍼灸は血管を広げて筋肉を緩める効果があるため、どの目的にも効果を期待できます。

しかし「筋肉を緩めることで皮膚が緩み、皺が余計気になる」など、希望と効果のミスマッチが起こらないように、施術前にどのようなゴールを希望しているか施術者に伝えることが大切です。

今回はそんな美容鍼灸の目的や効果について綴らせていただきました。

美容鍼とは

美容を目的としてアプローチをおこなう鍼灸です。

表情筋の左右差、皺や肌質の改善、お顔周りの浮腫み解消などを目的に施術します。

施術内容や目的はお店によって異なり、大量の鍼をお顔に刺す、鍼に電気をかける、お灸を併用するといった施術特徴の違いの他、

• お顔へのアプローチを重視したコース
• お身体全体を整えることを主体としたコース

など、いくつかのコースを設けている鍼灸サロンが多い傾向があります。

それぞれの施術特徴

お顔を中心に大量の鍼を刺す

多いところでは100本近い鍼をお顔に使用します。

細胞を作り替える（リモデリング）を目的としており、肌のリフトアップ（張り感）をあげることに向いております。

注意点としては、使う鍼の本数が多いため内出血のリスクが上がります。

鍼に電気を流す

お顔周りの筋肉（表情筋）に刺した鍼に通電することで、お顔の筋肉を動かして緩めます。

凝り固まった表情筋を動かすことで、左右差や噛み締めの改善にも繋がります。

鍼への通電（パルス）はビリビリするよりも、EMS腹筋ベルトのような感覚で「自分の意思と無関係に動く」ような感覚です。

お灸を併用する

お灸の温熱効果により血流量が改善し、血色や表情の硬さを改善できます。

美容鍼の効果

お顔の左右差、シミや皺の改善が期待できます。

左右差などのバランス

噛み締めや頭皮が硬い場合に頬骨が下がってしまう、フェイスラインが崩れてしまうなど、お顔に左右差が生じます。

凝り硬まっている表情筋を緩めることで、バランスの取れた状態に戻るが期待できます。

また、顔のコリが血管を圧迫している場合には、コリをほぐすことで浮腫みの解消にも繋がります。

シミの改善

お顔周囲のコリ緩和や皮膚に近い毛細血管の血液循環が改善するため、お顔の血色が向上します。

また、鍼で細胞に微細な傷をつけることで細胞の新生を促すため、お肌の新陳代謝と呼ばれています「ターンオーバー」が期待できます。

皺の改善

• お肌の乾燥や紫外線が原因である「小皺」
• お顔の筋肉が引っ張ることにより生じるう「大皺」

など、皺のできる箇所や深さ（大きさ）により発生原因は異なり、コラーゲン（膠原繊維）不足が多くの原因に関与します。

鍼は細胞に微細な傷をつける事で、コラーゲンを作り出す「繊維芽細胞」にスイッチが入れることができます。

この「線維芽細胞」はコラーゲンの生成を促進する力があるため、皺や張り感の改善が期待できます。

また、この時にビタミンCを摂取すると「線維芽細胞」が効率的にコラーゲンを生成してくれるため、少しでも効果を高めたい方は施術前後にビタミンCを摂取されることをオススメいたします。

美容鍼を受ける際の注意点

ボトックス注射を行っている場合には、注射箇所を避けて施術を受けてください。

ボトックス注射とは

噛み締めや肩凝りの改善を目的に、顎周囲や首肩に打つ注射で、筋肉がコリづらい状態を作ってくれます。

ボツリヌス菌から抽出したタンパク質の一種で、脳が筋肉に対して「動け」と指令を出す際に分泌される神経伝達物質（アセチルコリン）を阻害する作用があります。

そのため、ボトックス注射した部分の筋肉は収縮しづらい状態になります。

ボトックスの効果は一般的に3〜6ヶ月とされますが、鍼灸で注射部位の新陳代謝を高めてしまうことは排出促進につながり、せっかくのボトックス効果を短縮させてしまいます。

是非、目的に合う鍼灸サロンをお選びください

美容鍼の目的や考え方はお店よって異なります。

皺の改善が目的なのに、コりがほぐれて目立つようになってしまった、などのミスマッチにならぬよう希望に合うお店や施術者を選ばれることをおすすめします。

また、ボトックス注射のように美容鍼と相性が合わないものがあれば、ビタミンサプリメントのように相性が良いものもあります。

そのため、他の美容方法に併用して美容鍼を受けられる場合には、その旨もご相談される事をオススメいたします。