不妊症への対処と鍼灸治療の効果

世界的に増加傾向でカップルの10〜15%の方がお悩みの「不妊症」

不妊症は男女双方に原因が考えられ、婦人科を受診して原因を特定することが大切になります。

不妊治療に鍼灸を併用することで骨盤腔内の血液循環を整えることで受精卵の着床率向上に期待が持てますが、卵子の質改善や器質的疾患にはあまり効果を期待出来ないため、すべての方に有効であるといえません。

今回はそんな不妊症への鍼灸治療について綴らせていただきました。

そもそも不妊とは

WHO(世界保健機関)では「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間(1年)妊娠しないもの」と定義されています。

日本では、1年以内80%、2年以内90%、3年以内93%の確率で妊娠にいたると考えられており、1年経過した後に「タイミング法」などの負担が少ない方法から取り組まれる傾向があります。

原因

男性と女性の双方に原因があり、不妊症の1/3は原因不明といわれています。

男性不妊の原因

不妊症全体の約24%、加齢に伴う男性ホルモン低下の他に、造精機能障害、精路通過障害、性機能障害に大きく原因が分かれます。

造精機能障害

男性不妊の原因として最も多く、精子の数が少ない(無い)、精子の運動性が悪い状態で病院で精液分析をおこなうことで判明します。

昨今流行りのサウナ入浴は陰嚢温度の上昇させ、精子数や運動能の低下に繋がります。

サウナ浴中止から6ヶ月で精子数や運動能が戻るため、サウナ浴の時期には注意が必要です。

精路通過障害

作られた精子がペニス先端まで通るための道中で詰まっていたり、射精をしても精子が排出できていない状態です。

尿道炎や外傷によって起こるケースもあります。

性機能障害

精神的、肉体的に性機能が後退した状態を広く指します。

性行為への関心や意欲の低下の他、前立腺炎症など副性器の障害によって精子が影響を受ける場合や射精ができないケースもあります。

女性不妊の原因

不妊症全体の約41%、子宮、内分泌や排卵、卵管などの問題が考えられます。

子宮の問題

女性不妊症の原因で最も多く、子宮筋腫や子宮内膜症は不妊症にも関係します。

子宮筋腫は着床を妨げるだけでなく、精子が卵子へ到達するのを妨げてしまうケースもあります。

内分泌・排卵系の問題

甲状腺の病気、多嚢胞性卵巣症候群などにより女性ホルモンに乱れることが原因です。

環境変化や精神的ストレス、短期間の大幅ダイエットもホルモンバランスを乱して月経不順になり不妊症へと繋がるため注意が必要です。

卵管系の問題

卵管は精子が卵子と出会い、受精した卵子が再び子宮に戻るための道です。

卵管留水腫や卵管間質部の閉塞など、卵管を詰まらせてしまうケースもあります。

検査方法

問診や経膣超音波検査、子宮卵管造影検査、血液検査、男性の場合は精液検査をおこない原因を特定していきます。

経膣超音波検査

子宮や卵巣を超音波で観察して検査する方法です

婦人科で一般的に行われる検査で、子宮筋腫や子宮内膜症の有無を確認します。

子宮卵管造影検査

子宮口から子宮内へ造影剤を注入し、X線で子宮の形や卵管の閉塞がないか確認する検査です。

血液検査

プロゲステロン、プロラクチンといったホルモン検査や糖尿病などの全身疾患に関係する数値を確認します。

精液検査

精液の量や運動率、精子の形態などを検査します。

治療方法

原因に応じてタイミング療法、体外受精、人工授精といった妊娠を補助する治療をおこないます。

タイミング療法

基礎体温や血中・尿中ホルモン数値などを参考に排卵日を予測し、最も妊娠しやすいタイミングに性交渉をおこなう方法です。

負担が少ないため、最初に取り入れられる傾向があります。

体外受精

卵巣から取り出した卵子を培養液中で精子と受精させ、受精卵を子宮に戻して着床させる方法です。

精子の数や運動率が低い場合には、精子を極細ピペットで卵子の中へ直接注入する顕微授精法がおこなわれるケースもあります。

人工授精

精液中から運動能の良好な精子を選び、不要な赤血球や白血球を取り除いて子宮内に注入する方法です。

また、人工授精をはじめ、受精卵の着床率向上に鍼灸の併用がおすすめです。

鍼灸の効果

鍼灸は血行の改善やストレスを緩和することでサポートします。

受精卵は子宮内で血流量の多い部分に着床する特徴があるため、骨盤内の環境を整えることがとても大切になります。

女性の骨盤内血流を促進することは子宮内膜の発育を促し、受精卵の着床しやすい環境を整えることに繋がり、男性の骨盤内血流促進には、EDの回復や精子の量・運動率改善に効果を期待できます。

実際に、男性患者の骨盤周囲(仙骨)に鍼を施しパルス通電したところ、精子運動能の向上がみられたなどの結果も報告されております。

鍼灸は身体が本来持つ自然治癒力を引き出す方法のため、骨盤の血流改善、ストレスの減少や精神的な安定など、機能的お困りごとの解消には効果を期待できますが、器質的疾患など効果の期待できない症状(疾患)も存在します。

効果を期待できないもの

卵子の問題、子宮奇形といった器質的疾患に対しては、あまり効果を期待できません。

子宮筋腫の場合にも手術や超音波治療、別の原因に関してもホルモン療法を優先しておこなうなど、病院での治療が最優先のケースが多くあります。

そのため、不妊症の原因を特定されてから鍼灸併用のご検討をおすすめ致します。

不妊治療をお考えの場合には

問診や不妊検査をおこない、原因を特定して取り組まれることが大切になります。

不妊治療に鍼灸併用は副作用の心配も少なく、骨盤内の血流改善やストレス緩和、ホルモンバランスの安定など、さまざまお困りごとに役立つためおすすめです。

しかし、卵子自体の問題や器質的疾患にはあまり効果を期待できないので、まずは婦人科の受診をご検討ください。

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。

鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。

当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。

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