肩凝りの原因と対処法
当治療室でも、
肩凝りが酷くて・・・
肩が痛くて・・・
と来室される方が多くいらっしゃいます。
実際に肩凝りが酷くなってしまうと、
- 頭痛
- 不眠
- 姿勢の悪化
といったことが起こってしまいます。
そこで今回は、
- 肩凝りの原因と注意事項
- 肩凝りを事前に防ぐ方法
- 肩凝りが酷い時の対処法と注意事項
- 肩凝りに鍼灸やマッサージが効果的な理由
をお話させていただきます。
目次
肩こりの原因
肩凝りの原因として、
- 長時間のデスクワーク
- 冷暖房の効いた部屋でお身体が冷えている
- カバンを同じ肩でかけている
などの様々な要因が考えられますが、根本的な原因としては筋肉の血行不良によるものです。
そのため、それほど硬くなっていなくとも肩凝りを感じる方もいれば、肩がパンパンの状態でも肩凝りを感じない方もおり、凝り感(張り感)には個人差があるため注意が必要です。
なぜ肩凝りが起こるのか?
筋肉には酸素や栄養素が少ないと硬く・緊張する性質があります。
そのため、乱れた姿勢で長時間過ごす事で常に筋肉が緊張した状態になります。
そして、首や肩はボーリング玉程の重さのある「頭」を常に支えております。
それにより、以下のような悪循環を起こし肩凝りを発生、悪化させていきます。
1,頭の重さを支えるために緊張する
腕でボウリング玉を常に支えているとなると、すごい筋トレを行っていると思いませんか?
普段気付きづらいと思いますが、首肩はそういった筋トレを常に行っております。
2,緊張が続く事で疲労物質が溜まりやすくなる
筋肉の緊張状態・精神的な緊張状態のどちらにも言えることなのですが、緊張状態になると身体は危険や闘争に備え身体を戦える状態にするために血管を収縮(細く)して素早い対応ができるように備えます。
勢い良く水を出したい時にホースの先を摘むような原理です。
酸素や栄養素を運ぶ通路が狭まることで運び込まれる量に対し、疲労物質などの老廃物の割合が増えてきてしまいます。
3,血液の循環が悪くなり筋肉に新鮮な血液が行かなくなる
血液の循環が悪化することで、酸素や栄養素が行き渡らなくなり老廃物を運び出せなくなります。
その結果、筋肉は更に緊張し疲労物質(発痛物質)が溜まることで凝り感や不快感が更に強くなります。
4,ますます筋肉が硬くなる(強固な凝りの出来上がり)
そして1に戻り1〜4のサイクルを繰り返すことで悪化していきます。
肩凝りを防ぐには
上記でお話させていただいた通り、肩凝りは「筋肉の血行不良」が原因で起こります。
そのため、日頃から筋肉の血行をよくするための対処(以下の対処)を行っていれば完全に防ぐことはできなくとも、
- 不快感を和らげたり
- 痛みが起こりづらくする
といったことは可能です。
肩を温める
入浴などで全身温まるのがベストです。
難しい場合には、ホットタオルや市販の電子レンジで温めて肩に乗せるような患部を直接温められる物を使うのも良いかと思います。
正しい姿勢を心がける
パソコンのディスプレイを目線の高さに調整してみて下さい。
パソコンに目線を合わせることで頭の位置や角度が整い、首肩の筋肉への負担が軽減されます。
「背筋を伸ばす」など良く耳にするかと思いますが、仕事中に姿勢に意識を向け続けることも難しいと思います。
そこで、デスクワーカーの方は特に利用する物の高さを変えるなどをし、自然と姿勢が良くなるよう心掛けられることをお勧めします。
適度に運動する
出来れば毎日15分〜30分のウォーキングなど行えますとベストです。
運動の時間を作る事が困難な場合には、スクワットなど全身の筋肉や関節を動かす運動をおすすめ致します。
肩関節や股関節を動かすことにより全身の血液循環が改善するため、空き時間に数回でもOKです。
疲れや凝りを感じたら早めの休息やマッサージや鍼灸を受ける
- 適度な休息
- 鍼灸マッサージ
には血行改善(促進)や自律神経を整えることが期待できます。
そのため、肩凝りが出来てしまうスパイラルに陥りそう!と感じた際には、お早めに休息や鍼灸を受けるなどで更なる悪化を断ち切っていただければと思います。
こんな時には要注意
- 原因が思い当たらないが左肩(局在性)だけ痛む!と言ったような場合
- 激しい運動や無理に力を入れた際に痛めてしまった場合
このような場合には肩凝りではなく、内臓の不調や筋肉の組織に炎症や損傷がある場合がございますので掛かりつけの医療機関を受診して下さい。
肩凝りに鍼灸やマッサージが効果的な理由
鍼灸やマッサージが効果的とは耳にしたことがありませんか?
・鍼灸治療とはそもそも何?
・鍼灸治療ってどうやって効くの?
と言った効果に関する内容「効果その1」「効果その2」として、お話させていただきます。
そもそも鍼灸治療とは!?
鍼灸治療では凝りを感じる部分や症状に対応するツボに鍼を施して行きます。
ツボとは長年積み重ねた経験により刺激を与える事で何らかの効果が現れるポイントの事を言います。
そのため、現在不快に感じている部位から離れた場所に刺激をしても特定の部位に血流が増えるなどの変化が起こります。
鍼灸治療を行う事で部分的・全身的な血流改善や鎮痛作用、免疫力の向上など様々な効果が挙げられます。
肩凝りに鍼灸治療を行う事で起こる代表的な変化は主に2つです。
効果その1:血流の促進
細胞にわざと小さな傷を作る事で、身体の細胞はこの傷を修復し異物である鍼を排除しようとするため血行を促進します。
血行が促進する事で滞っていた疲労物質が排泄され、筋肉(組織)に必要な栄養素や酸素が行き届き不快感や筋肉疲労が改善していきます。
効果その2:自律神経を整える
ストレスなどで自律神経が乱れると「血流の悪化」「ホルモンバランスの乱れ」など様々な症状が現れます。
・血流の悪化:血管は自律神経により、流れる血液の量を調整しております。
ストレスなどの緊張状態には血管を細くする事で全身に血液が早く行き届くように身体を調整していきます。
そのため、お身体は闘争などの緊急に備えた状態を保ってしまいます。
・ホルモンバランスの乱れ:自律神経が乱れることによりホルモンバランスも変化してしまいます。
ホルモンバランスの乱れで最も多いのが、「眠れない」などの睡眠障害です。
お身体は概日リズムと言う体内時計をホルモンで調整しているため、ホルモンバランスが乱れる事で体内時計の狂いへと繋がってしまいます。
またホルモンにも様々な種類のホルモンがあり、身体に伝える情報も様々です。
ストレスを受けた際の流れでお伝えさせていただきますと、
脳(下垂体)からホルモン(ACTH)が放出され、そのホルモンを検知して腎臓(副腎)から血圧・血糖値を上げてストレスに対応しましょう!と言う指示(コルチゾル)が身体に伝わります。
しかしこの状態を長く続けてしまうと身体がもたないため腎臓(副腎)は身体の修復や生命力を上げましょう!と言う指示(DHEAーS)も身体に伝えていきます。
この指示は脳や皮膚からも出るため、肌を直接刺激する施術がとても有効です。
鍼灸刺激後にどちらの指示も増える(伝わりやすくなる)ためホルモンバランスが整います。
鍼灸施術を受けることで自律神経が分布している領域の血行やホルモンバランスを調整することによって、自律神経を整える作用がございます。
日常の生活で血行不良やホルモンバランス(最も多い不眠の場合)を整える際には、
・「お風呂やサウナに入る」「ホットアイマスクなどの患部を暖かくする商品を使用する」など、直接患部や全身の血行を促進するようなことを行う。
・日の光を浴びてホルモンの働きを正常化する
朝日を浴びることでホルモン(メラトニン)が分泌され、体内時計をリセットしてくれます。
終わりに
お身体は悪い部分の「凝っている」「不快」などの信号を出してくれています。
しかし、放って置くとその信号は少しずつ弱くなり最終的には感じなくなってしまいます。
気付き難くなる事で対応が遅れ、更に悪化していきます。
そのため、日頃からお身体の声に少しで結構ですので耳を傾けていただけますと幸いです。
その他の症状に関しての記事はこちら
神経系 | 肋間神経痛・腕や足の痺れ・不眠症・坐骨神経痛・頭痛・自律神経失調症 |
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鍼灸師のコメント
筋肉の緊張には、
大きく分けて、この2種類があります。
等張性収縮(アイソトニックコントラクション)というのは、ダンベル運動や力こぶのようなイメージです。
等尺性収縮(アイソメトリックコントラクション)というのは、買い物袋を持ったまま歩いていると腕が疲れるような筋肉の緊張になります。