坐骨神経痛(梨状筋症候群)に鍼灸がお勧め
腰痛に加えて、太腿や足先まで痺れが現れる・・・
そのような場合には坐骨神経痛の可能性がございます。
坐骨神経痛は原因や症状の程度で処置が変わってきます。
そこで今回は、
- 坐骨神経痛とは
- 坐骨神経痛の原因と治療
- 坐骨神経痛に対して鍼灸は有効なのか?
についてお伝えさせていただきます。
目次
坐骨神経痛とは
「坐骨神経」という腰から足先にかけて走行する神経が圧迫などの刺激により、臀部や太腿やふくらはぎ足先に電気が走ったような痛みや、突っ張り感が現れる症状が生じることを言います。
症状は部分的に感じることもあれば、腰から足先にかけて全体的に感じる場合もあります。
「坐骨神経痛」は病名と思われがちですが、肩こりや腰痛と同じで症状を表す言葉で症状を総称して坐骨神経痛と呼ばれております。
坐骨神経痛の原因と治療
坐骨神経痛は症状を指す名称のため、原因が多岐に渡ります。
大きく分けて
- 脊柱由来の原因
- その他の原因
に分かれます。
脊柱由来の原因
脊柱由来の主な原因としてあげられるものには、
- 腰部脊柱管狭窄症
- 椎間板ヘルニア
の2つがあります。
腰部脊柱管狭窄症とは
脊柱管という神経の通り道が背骨の中央付近を走行しております。
この脊柱管が狭くなるのが脊柱管狭窄症で、腰付近で脊柱管が狭くなることで発症するものを腰部脊柱管狭窄症と呼びます。
そのため、生まれつき脊柱管が狭いなどの原因や加齢によって起こる腰椎の変化など、1人1人原因が異なります。
高齢化社会の日本では患者さんの割合が増加傾向にあります。
椎間板ヘルニアとは
背骨は椎骨という骨とクッションの役割を持つ椎間板という軟骨を交互に積み上げて形成されており、この椎間板が飛び出すことで神経を圧迫してしまうのが椎間板ヘルニアです。
脊柱由来の原因に対する治療方法
手術をしない保存療法が主体となることが多くなっています。
保存的治療には、
- コルセットで固定する
- ウォーキングなど適度な運動
- 神経の腫れにビタミンB12などのビタミン剤や鎮痛剤、筋弛緩剤といった内服薬の服用
- 神経に直接麻酔剤を注射する神経ブロック
などを行い経過を観察して行きます。
保存療法をしても症状の改善がみられない場合や、足を上げられず転びやすい、スリッパが脱げてしまうといった下肢の麻痺や膀胱直腸障害などの重度な神経障害があるときは手術療法となるようです。
脊柱以外の原因
坐骨神経腫瘍、糖尿病、子宮内膜症、下肢の動脈閉塞などが原因となり坐骨神経痛を誘発する場合がございます。
そのため、レントゲンやMRIなどを行い病気をそれぞれ診断していく必要があります。
持病や検査に異常が見られなかった際には「梨状筋症候群」の可能性あり
持病やレントゲン・MRIなどの検査を行ったが特に原因が見当たらない場合には、坐骨神経痛の中でも梨状筋症候群が考えられます。
梨状筋症候群とは
坐骨神経は骨盤から出て足先へと向かいます。
その際に、お尻の深い位置にある「梨状筋」という筋肉の下を通るのですが、梨状筋やその周囲の筋肉が硬くなることで坐骨神経を圧迫し症状を引き起こす病態を「梨状筋症候群」と呼びます。
梨状筋症候群の治療法
- ストレッチやマッサージで梨状筋や股関節周囲の筋肉を緩める
- 痛みが強い場合には抗炎症薬や鎮痛剤を使用する
といった治療が主体となります。
坐骨神経痛に対して鍼灸は有効なのか?
坐骨神経痛に対して鍼灸の効果があるかどうかに関しては、原因や症状により異なります。
そのため、先述した原因や症状ごとに鍼灸が有効なのか?をご紹介させていただきます。
腰部脊柱管狭窄症に対する鍼灸の効果
背骨の中に鍼を入れることができないため、痺れや神経を栄養している血流の改善を目的にアプローチしていきます。
脊柱管狭窄症の代表的症状として、しばらく歩くと足に痛みや痺れを生じ少し休むとまた歩けるようになる症状を間欠性跛行といい、間欠性跛行の原因は主に脊柱管内で神経を圧迫している場合と神経内の血流障害であるため、神経を栄養している血液を回復することで症状の緩和を期待することができます。
椎間板ヘルニアに対する鍼灸の効果
椎間板ヘルニアと病院で診断され、鍼灸を併用されていらっしゃる方もおります。
椎間板ヘルニアが軽度の際には、鍼灸を行うことで「マクロファージ」という体内にある異物を食べてくれる細胞が患部に増えることで、飛び出た椎間板の処理を手助けする効果を期待することができます。
しかし、椎間板の飛び出し具合(程度)によっては手術療法を行う場合もあり担当の医師により判断が異なります。
そのため、病院での結果を施術者に伝えて鍼灸を取り入れるかを相談されることをお勧め致します。
梨状筋症候群に対する鍼灸の効果
先述した通り、梨状筋症候群の治療法に関しては、
- ストレッチやマッサージで梨状筋や股関節周囲の筋肉を緩める
- 痛みが強い場合には抗炎症薬や鎮痛剤を使用する
といった治療が主体となります。
そのため、筋肉を緩めるマッサージや鍼灸にとても効果を期待することが出来ます。
特に鍼灸は梨状筋のような深い位置の筋肉に対しても、しっかりと刺激を入れて固まった筋肉を緩めることができるため治療効果に期待ができます。
しっかりと深部(原因)の筋肉を緩めてストレッチを行うことで、痛みを我慢しながらストレッチを行うことに比べお身体の負担も少なく他の筋肉を痛めてしまう心配もございません。
最後に
坐骨神経痛は原因が多岐に渡ります。
梨状筋症候群のような筋肉由来の原因が考えられる際には、鍼灸治療を受けることをお勧め致します。
しかし、椎間板ヘルニアや他の原因が考えられる際には、その症状の経過や状態によっては手術療法が優先の場合や鍼灸適応の有無が変わってきます。
そのため、病院での診断結果や経過を施術者に伝えて最善の治療を受けられることをお勧め致します。
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