痺れへの対処と鍼灸治療の効果
痺れは病気や筋肉の凝りなど、様々な原因で起こります。
なかでも、一定の動きで痺れが現れる場合には、筋肉が原因である可能性が考えられます。
筋肉が原因の場合には、筋緊張を緩和することで改善に繋がるため、鍼灸治療がとても効果的です。
今回はそんな痺れ(しびれ)に関して綴らせていただきました。
痺れの原因
ビリビリ感の他に、重怠さや指先の感覚が鈍いといった症状を伴う痺れ。
痺れを起こす原因として、
- 隠れた疾患(病気)が原因で生じる痺れ
- 神経が圧迫されることで生じる「神経性」の痺れ
- 血管が圧迫されることで、神経への血行が悪くなる「血管性」の痺れ
の大きく3つが挙げられます。
まずは病気が原因で起こっている可能性を排除し、神経性や血管性の原因を考えていくことが大切になります。
病気が原因の痺れ
- 椎間板ヘルニア、骨粗しょう症:腰痛や脚の痺れが現れる。
- レイノー病:手や足先が冷えた際に指先が白くなり痺れが現れる。
- 脳卒中:痺れの他、頭痛や呂律が回らないなどの症状を伴う。
- アルコール性神経障害:ビタミンB1がアルコール代謝に使われることで欠乏症へと繋がる。
ヘルニアのように神経を直接圧迫するものから、アルコール性神経障害のようなビタミン欠乏による痺れまで、神経障害に繋がる病気は上記の他にも数多く存在します。
そのため、痺れを感じた際には病院の受診からおすすめいたします。
神経性・血管性の痺れ
圧迫や引っ張られることで、神経の経路が障害されることで痺れが起こります。
他にも、神経を栄養する血管が滞ると、神経は刺激に対して過敏に反応するようになります。
身近な例では「正座後の痺れ」が挙げられ、ある一定の動きで痺れる、身体を酷使した後に痺れるといった場合には、筋肉の緊張や血流低下が原因として考えられます。
神経性や血管性の痺れは、神経や血管の圧迫を改善することで症状が落ち着くため、鍼灸治療がとても効果的です。
鍼灸が痺れに効果的な理由
鍼灸は筋肉の緊張緩和、血流改善を得意としています。
鍼で筋肉が緩む、血管が拡張する理由
身体に鍼を刺すことで、体内では異物が入ってきたと認識し、免疫細胞のスイッチをONします。
そして、異物を排除するために血管を拡張し、免疫細胞が患部へ向かいやすい環境を整えます。
血管が拡張することで、筋肉内に滞っていた疲労物質が流れ出し、筋肉は柔らかさを取り戻します。
このような反応により、神経圧迫や血流が改善することで痺れが緩和していきます。
鍼灸の得意とする痺れ
鍼灸適応の代表的な疾患として、
- 梨状筋症候群(梨状筋の緊張による痺れ)
- 過外転症候群(小胸筋の緊張による痺れ)
が挙げられます。
このような、筋緊張が神経を圧迫したり、引っ張ることで痺れが起こる疾患や、
血流が滞ることで神経が過敏になっている状態、皮神経障害による指先の感覚鈍麻改善に鍼灸は優れています。
鍼灸が適さない痺れ
過度なヘルニアによる神経圧迫、神経自体が死滅(退行性変性)してしまう疾患によって痺れている場合には、あまり改善が期待できません。
痺れが気になった場合には
筋肉の緊張や血行不良が原因の痺れに対して、鍼灸はとても効果的です。
しかし一方で、過度なヘルニアによる神経圧迫など、鍼灸に効果を期待できない疾患や、
悪性腫瘍や脳卒中など命に関わる病気が原因で痺れるケースもあります。
そのため、まずは病院で診察をおこない、原因不明や筋肉が原因ではないかと診断された後に、鍼灸を試される事をおすすめいたします。
この記事の著者

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『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。
鍼灸治療は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。
当治療室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
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