痺れへの対処と鍼灸治療の効果
神経が正常に機能しないことで現れる「痺れ」
痺れは血流障害や筋肉の圧迫など、さまざまな原因で起こります。
神経組織の損傷が少ない場合には、鍼灸で圧迫箇所や血流を改善することで回復が期待できます。
今回はそんな痺れについて綴らせていただきました。
痺れ(しびれ)とは
神経が正常に機能しないことで起こる症状の1つです。
神経は感覚や運動の情報を脳とやり取りしています。
皮膚で捉えた感覚は背骨の中(脊髄)を経由して脳に伝えられ、脳で情報を処理した後に、筋肉などの末梢に伝えられてます。
この通路(神経)が圧迫や損傷を受けると、情報が円滑に伝達されないことで痺れが生じます。
障害されている部位によって、痺れでなく運動障害が起こることもあります。
症状
感覚障害と運動障害が主な症状です。
症状は障害される神経の種類により異なります。
感覚を司る神経が障害されると痺れや感覚が鈍くなる「感覚障害」が起こり、筋肉へ指令を伝える運動神経が障害されると手足に力が入らないなどの「運動障害」が起こります。
症状の強さは神経組織の障害程度によって変わり、全身に症状が現れる場合もあります。
原因
「筋肉や骨による圧迫」や「外傷による損傷」など、神経が障害されることで起こります。
物理的な障害の他、脳梗塞や糖尿病といった病気、過度な飲酒によるビタミンB12不足でも起こります。
そのため感覚障害や運動障害が生じた場合には神経内科を受診して、原因が病気や外傷などの「検査で異常が現れるもの」なのか「検査をしても原因がわからないもの」かを判別することが大切になります。
治療方法
神経を障害している原因により異なります。
痺れは自然治癒するケースもあれば、神経組織が死滅して回復が望めない場合もあり、病態によっては病気の治療を優先に取り組みます。
最も代表的な末梢神経の修復でも、月・年単位での回復時間を要すこともあります。
神経修復を少しでも早めるためには、ビタミンB12の補給や神経の血行改善が大切になります。
痺れの中でも、神経組織の損傷や骨による圧迫などが見られない場合には鍼灸がおすすめです。
鍼灸の効果
鍼灸は筋肉の緊張を緩和して血流を改善することで痺れを改善します。
筋肉の凝りが神経を圧迫して症状が現れている場合には、凝りをほぐすことで改善します。
また、神経を栄養する血管の血流悪化により、神経が円滑に働いていない場合には、神経周囲に鍼を用いることで血流を促進することで回復を早める効果が期待できます。
原因が不明な痺れ、神経組織の回復が長引いているような場合には、鍼灸をおすすめします。
痺れが気になった場合には
痺れは神経が障害されることで起こります。
痺れの原因が脳梗塞などの病気による場合には、病気の治療を優先するケースもあります。
そのため、まずは神経内科をご検討ください。
「検査結果に異常がない場合」や「神経の修復を早めたい方」は鍼灸をおすすめします。
この記事の著者

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「白金のかかりつけ鍼灸師」を目指し、日々鍼灸に励んでおります。
鍼灸は多くの症状改善に効果が期待できる一方で、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先する場合もあります。
当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
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