股関節痛への対処と鍼灸治療の効果

立ち上がる時や車の乗降時に痛みを感じる事の多い股関節。

股関節の痛みには、年齢を重ねた事が由来して起こる場合や筋肉が凝り固まって起こる場合など様々です。

筋肉が凝り固まって痛みを出している場合には、しっかりと筋肉を緩めてあげることで痛みが軽減されます。

しかし、思い当たる原因や病院で診てもらったが異常がなかったと言う場合には、鍼灸やマッサージを1度試される事をお勧め致します。

今回はそんな股関節について綴らせていただきます。

そもそも股関節とは?

股関節とは、骨盤と脚の骨(大腿骨)を繋いでいる関節です。

多種多様な衝撃に耐えることができるように「関節軟骨」と呼ばれる弾性組織で覆われ、衝撃の吸収や動く際の摩擦を軽減しております。

繋がる部分が球状(球関節)になっているため、前後左右など複雑な動きをする事のできる関節です。
そのため、体重維持や運動の自由度が高く、正座などの動きが行えます。

股関節周囲の筋肉が硬くなってしまったり、関節軟骨が何かの原因により減ってしまうことで、股関節に痛みを感じるようになったり、関節を動かす範囲が狭くなり日常生活の動きに支障が出るようになります。

股関節痛の原因

股関節周辺が痛くなる原因として、

  • 股関節自体に問題が生じた場合
  • 筋肉など他の部分に原因があるもの

の大きく2つに分けられます。

膝関節自体の問題(関節軟骨の擦り減りなど)と筋肉が硬くなって痛みを増幅させているなど、複合的に痛みを出している場合もございます。

そのため、まずは病院で検査し、骨や軟骨の具合や隠れた疾患が原因で無い事を確認される事をお勧め致します。

股関節自体の痛み

股関節の問題としては、下記3つの疾患が多いと言われております。

変形性股関節症

変形性股関節症は関節の老化が原因として起こる疾患です。
股関節の痛みとして聴き馴染みのあるものではないでしょうか?

初期症状として運動時や長時間歩いた際に痛みや関節の可動範囲減少がみられ、少し休憩をすると楽になる特徴が見られます。

症状が悪化してくると歩き始めの痛みや安静にしていても痛みを感じるようになります。

痛みが強くなるにつれて靴下を履き辛い、爪が切りにくい、などの生活に支障を感じることに繋がります。
また、股関節の神経が膝にも分布しているため膝に痛みを感じる場合もあります。

原因として関節軟骨の減少、股関節の形が悪い、 リウマチ、原因不明などがあります。

変形性股関節症の対処法として手術による人工骨への置換や保存的治療となるケースがあります。

保存的治療法としては股関節の負担を軽減することを目的に体重を減らすなどがあります。

リウマチ

リウマチは免疫の病気(自己免疫疾患)です。

免疫は体に必要とされる正常な細胞と不要なものを識別し不要な物を排除する仕組みを持っております。

リウマチでは免疫が正常な細胞までも攻撃してしまう状態です。

関節で炎症が起こり軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれてしまうため、放っておくと関節が変形してしまうこともあります。

膝の痛みの他、指先の関節が痛む、貧血や全身倦怠感を感じる場合には注意が必要です。

特発性大腿骨頭壊死

何らかの原因により脚の骨の付け根(大腿骨頭)の一部の血流が悪くなり、大腿骨頭が壊死する病気です。

一度壊死してしまった骨は元に戻り辛いため、壊死した骨が骨折したり骨頭が潰れることで痛みが起こり歩行などの日常生活に支障が生じます。

筋肉由来のもの

股関節の筋肉やお尻の筋肉が炎症を起こしていたり、凝り固まっていた際に股関節の痛みの原因となる可能性があります。

そのため、股関節周辺の筋肉を柔らかくすることで股関節の柔軟性を取り戻すことが期待出来ます。

股関節は前後左右様々な動きが出来る様に多くの筋肉により支えられております。

脚の筋肉をはじめ、腰の筋肉が骨盤の内側を通って股関節(脚の骨の付け根)に付いていたりと様々で、股関節の前面や側面に痛みを感じる方が多く見受けられますが実際に痛む部位や動きなどの特徴を把握する事が重要になります。

このようなケースには鍼灸やマッサージを行い、原因とされる筋肉をしっかりと緩めてあげる事で改善が期待できます。

当室ご利用者様の中にも、股関節を通る筋肉の「腸腰筋」といった腰の筋肉や「内転筋」といった太腿内側の筋肉をしっかりと緩め、周囲の筋肉とのバランスを整えることで股関節の痛みが軽減(無くなった)ご利用者様もいらっしゃいます。

鍼灸で改善の期待がもてる股関節痛

上記で綴らせていただいたように、股関節痛は様々な原因で起こります。

鍼灸で改善の期待がもてるものには、下記のようなものがございます。

股関節自体の痛み

  • 変形性股関節症
  • リウマチ

こちらは鍼灸の適応となります。

しかし、このような疾患に対しては原因を取り除くといった考えではなく、痛みをコントロールすることで日常生活をより快適に送ることを目標とした治療となります。

そのため長期的にみた場合に、リウマチなどは寛解と増悪を繰り返すことや季節変動を伴う場合がございますため、鍼灸を受けて改善や寛解が見られた場合にも病院との併用を継続されることをお勧め致します。

筋肉由来の痛み

腸腰筋などの腰周りの筋肉やお尻周りの筋肉などが凝り固まっているといった、筋肉の柔軟性や血行の改善を行うことで症状が寛解するものに鍼灸が効果的です。

また鍼灸治療に加えて、セルフケアとして体重のコントロールを行うことで関節に掛かる負担を軽減することも有効になります。

最後に

最近強くぶつけた、安静時(横になっている)も痛む場合には1度病院での検査をお勧め致します。

鍼灸が著効的な股関節痛は主に、筋肉に由来するものになります。
また、変形性股関節症やリウマチでは痛みをコントロールすることで日常生活を送ることが可能となる場合もあります。

しかし、長期的にみた場合にリウマチなどは寛解と増悪を繰り返すことや季節変動を伴う場合がございます。

そのため病名の付く疾患が原因として考えられる場合には病院との併用をお勧めさせていただいております。
また、関節にかかる負担を軽減するために適度な体重維持も効果的です。

股関節が硬いと感じている方は、股関節周囲の筋肉やお尻周りの筋肉を柔らかくするストレッチやマッサージなどの取り組みをお勧め致します。

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。

鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。

当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。

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