理想的なマッサージの施術時間や力加減について
マッサージは健康維持にとても効果的ですが、施術時間や力加減が適切でなければ施術効果を得られないだけでなく、逆効果になることもあります。
また、マッサージ・整体・カイロ、さまざまな手技があり店舗により目的や効果も異なります。
今回は「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格を有する治療院を訪れたケースを例に綴らせていただきました。
『マッサージ・整体・カイロの違いに関する詳細はこちら』
理想的な施術時間
50分以上が理想的です。
治療院で指圧やマッサージを受けた場合には、「30分間で上半身または下半身のどちらか」、「40分以上で全身」の施術を行うケースが多いため、全身+最も気になる箇所をしっかりと施術を受けるには50分間の時間を確保する必要があります。
凝りの原因である筋肉内の老廃物(乳酸等)が滞ると、痛みや怠さが生じて筋肉が硬くなり、更なる血行不良を招きます。
凝りを効率よくほぐすには、老廃物を患部から全身に循環させて、しっかりと代謝・排出することが重要になるため、患部だけでなく全身をマッサージする施術時間の確保がおすすめです。
長ければ長い方が良いのか
長くても90分程にしておくことをおすすめします。
マッサージはリラクゼーション効果がありますが、身体(筋肉)に対する外部刺激に変わりありません。
「筋トレを高負荷で長くやればいいものでは無い」のと同様で、個人に適した刺激量で行うからこそ、最大の効果が得られます。
過剰な時間や力加減は身体(筋繊維)への負担にしかならず、揉み返しの原因になります。
そのため、2時間以上のマッサージは1時間を2日に分けて受けることで施術効果が向上します。
揉み返しと好転反応の違い
揉み返しは筋繊維に過剰な負荷が掛かることで筋繊維の損傷や炎症が生じている状態です。
そのため筋肉痛のような痛みや熱感が現れ、長いと3日〜1週間程続きます。
好転反応は凝りに溜まっていた老廃物(疲労物質)が代謝される過程で重怠さが現れます。
そのため老廃物が代謝されると倦怠感は消えるため、1.2日で症状は落ち着きます。
マッサージの力加減
「気持ちいい」〜「痛気持ち良い」の間の力加減がおすすめです。
強すぎる刺激は身体を守る反応を誘発させ、筋肉を一層緊張させてしまうことで血流悪化に繋がる他、筋繊維や周囲の毛細血管を微細損傷してしまう恐れがあります。
反対に弱すぎる力加減は「皮膚を伸ばす目的には優れています」が凝りをほぐすには力が足りません。
そのため、受けていて身体に力が入らない程度の力加減でリラックスして受けられるのがベストです。
リラックス状態は全身の血流が向上して老廃物の代謝がスムーズになり、痛みにより過敏になっている神経の興奮を抑えることで、「痛みを感じづらくする」働きもあります。
マッサージを受けられる際には
気になる箇所だけでなく全身の施術を受けることで施術効果が向上します。
そのため、「痛気持ち良い」を超えない力加減で50分を1つの目安にされること身体への負担が大きくなり過ぎることを防げます。
体力の落ちている方や施術後の怠さが苦手な方は、40分程のマッサージから徐々に時間を延ばしていくことをおすすめします。
この記事の著者
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『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。
鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。
当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
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運動器系 | 肩凝り・肩関節周囲炎(五十肩)・腰痛・股関節痛・膝痛・腓骨筋腱炎・足底腱膜炎・ドケルバン症候群・ゴルフ肘・上腕二頭筋長頭腱炎・骨折、打撲、捻挫・脳卒中後遺症・寝違え・テニス肘・後脛骨筋腱炎・シンスプリント・鵞足炎・膝蓋腱炎(ジャンパー膝)・腸脛靭帯炎(ランナー膝)・顎関節症・前脛骨筋腱炎 |
消化器系 | 下痢・便秘・機能性ディスペプシア(FD)・胃十二指腸潰瘍・痔疾・過敏性腸症候群(IBS) |
循環器系 | 冷え性・高血圧・低血圧・心臓神経症・閉塞性動脈硬化症(ASO) |
感覚器系 | 眼精疲労・突発性難聴・耳鳴り・メニエール病・ものもらい・結膜炎・花粉症・めまい・眼瞼痙攣・急性低音障害型感音難聴 |
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婦人科系 | 不妊症・逆子・月経痛・女性更年期障害 |
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泌尿生殖器系 | 前立腺肥大症(BPH)・膀胱炎・過活動膀胱・男性更年期障害 |
その他 | 慢性疲労症候群(CFS)・脱毛症・不眠症・むずむず脚症候群(RLS)・不安神経症・関節リウマチ(RA)・アトピー性皮膚炎(AD)・鬱病(大うつ病)・不定愁訴 |
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