足底腱膜炎への対処と鍼灸治療の効果
昨今のジョギングやマラソン人気と相まって、足裏に痛みが生じる「足底腱膜炎」の発症数が増加傾向にございます。
今回はそんな身近に迫る足底腱膜炎について綴らせていただきます。
目次
足底腱膜炎とは
足底腱膜は足裏の踵(かかと)の骨〜足指の付け根までを扇状に腱が広がっております。
この足底腱膜は、
- 土踏まずを支える
- 地面から足への衝撃を緩和する
などの重要な役割を担っており、
- ジョギングやマラソン(特にアスファルト舗装などの硬い道を走る)
- 長時間の立ち仕事
といった足裏(足底腱膜)への負担が続くことで、足底腱膜の微細な傷や骨に付着する部分での炎症が起こることで痛みなどの症状が現れます。
足底腱膜炎の症状
- 歩いた時に踵(かかと)やその周辺が痛む
- 足裏を押すと痛い
- 運動中よりも運動後に痛みが増す
- 起床時に床へ踵(かかと)をついた際に鋭い痛みを感じる
といったように症状に個人差が見られ、急な強い痛みや徐々に痛みが強くなるケースもあります。
痛みを感じる部位では
- 踵(かかと)付近
- 中央(土踏まず)
- 指先付近
と言った順で痛みを感じる方が多い傾向があります。
足底腱膜炎は自然に寛解する方がいらっしゃる一方で、痛みを発症した場合に日常生活で歩行控えることが難しく患部への負担を軽減させ辛いために長引いてしまい「難治性足底腱膜炎」となることもあり、なかなか治らずにお困りの方もいらっしゃるのが現状です。
足底腱膜炎の原因と対策
足裏に繰り返し衝撃を与え続けることで筋肉や足底腱膜が固くなってしまいます。
足底腱膜炎の主な原因として下記3例が代表的なものになります。
原因1:ジョギングやマラソン
適切なケアを行わずに繰り返し負担を強いることで足底腱膜炎になることがあります。
アスファルトなど地面が硬い道路は地面からの衝撃もより強く返ってくるため負担がより強くなります。
また、下肢の(ふくらはぎ)筋肉が硬い場合やアキレス腱が硬い場合に地面からの衝撃を分散する際、足底腱膜の負担が大きくなってしまいます。
そのため、
- 運動の前後にストレッチを行う
- 翌日は激しい運動を控える
といった予防が重要になります。
原因2:長時間の立ち仕事
長時間の立ち仕事よる疲労蓄積や加齢によりクッション機能が低下して足底腱膜が固くなるケースがございます。
普段よりも負担をかけ過ぎてしまった日は入浴や鍼灸を受けるなどのケアが重要になります。
原因3:扁平足・足のアーチが高過ぎる
- 偏平足の方
- 足のアーチが高過ぎるという方
の場合に不均等な負荷が足裏に加わることで足底腱膜に負担を強いるケースがございます。
特に足裏にタコが出来易い方はご注意が必要です。
また、靴底の薄いものや踵の固定されない履物も負担が加わり易くなります。
そのため、
- 足に合う履物を使用する
- インソールを足に合うものに変える
- サポーターを使用してみる
といった対応も効果的です。
治療方法
代表的な方法に下記3つのような方法が挙げられますが、保存療法が最もスタンダード且つ重要になります。
保存療法
症状が落ち着くまでは運動や長時間立っているなどの脚に負担を強いる行動を極力避け、安静にしていただく事が重要になります。
日常生活を送るうえで直るまで安静に過ごす事が困難な場合にはテーピングやインソールを足に合うように工夫する事で足裏への負担を軽減してあげることも効果的です。
使い過ぎて硬くなってしまった足底腱膜や下肢の筋肉を緩め症状改善に鍼灸を併用されることも有効です。
薬物療法
痛み止めの薬(抗炎症剤)や患部にヒアルロン酸やステロイドの局所注射を行い痛みを和らげます。
外科的療法
手術を行うケースは少ないようです。
しかし「踵骨棘」と言って踵(かかと)の骨が棘(とげ)のように飛び出してしまい痛みを出している一因と考えられる場合には、それを切除するために手術を行う場合がございます。
保存療法に鍼灸の併用がおすすめ
鍼灸治療では足底腱膜炎の回復時間の短縮を治療目標として取り組みます。
そのため、局所麻酔のような1回で痛みが無くなった!というような事はあまり期待を持つことが出来ませんが、中長期な視点で捉えると回復時間の短縮に期待を持つことが出来ます。
足底腱膜が伸ばされることで付着部にストレスが生じるため、足底腱膜自体の柔軟性を保つことが必要になります。
足裏が痛むことで庇う姿勢を続けた結果、腰や膝に負担がかかってしまっている場合や硬くなってしまっている下腿三頭筋(ふくらはぎ)やアキレス腱を柔らかくすることで足底腱膜にかかる負担を減らす事が出来ます。
最後に
足底腱膜炎は足裏(足底腱膜)への負担が続くことで痛みなどの症状が現れます。
痛みが現れた際には安静にして足裏への負担を軽減することが最も重要になります。
安静が難しい場合にはサポーターやインソールなどの工夫を行うことで足裏への負担を軽減されることをお勧め致します。
また、痛みを庇い無理な力が入ってしまう事が多い腰や膝、足裏(足底腱膜)の柔軟性を向上させるために鍼灸を受けられる事も併せてお勧め致します。
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