足底腱膜炎への対処と鍼灸治療の効果
歩行時に足裏が痛む「足底腱膜炎」
足底腱膜炎は長時間の立ち仕事やジョギングなど、足裏への持続的な負担によって起こります。
主な対処方法は安静ですが、鍼灸の併用することでアキレス腱やふくらはぎを緩めて足裏を柔らかくして、回復時間の短縮や再発防止になるためおすすめです。
今回はそんな足底腱膜炎について綴らせていただきました。
足底腱膜炎とは
足裏の足底腱膜が炎症を起こした状態です。
足裏には踵(かかと)の骨〜足指の付け根まで「腱」が扇状に広がって膜のような状態におり、この膜を「足底腱膜」と呼びます。
足底腱膜は、「土踏まずを支え、地面から足への衝撃を緩和する」といった重要な役割を担っており、足裏への負担が続くことで足底腱膜の微細な損傷や炎症につながります。
長時間の立ち仕事やマラソンランナーのような足裏への負担が多い方に足底腱膜炎は多くみられ、扁平足や足裏のアーチが高い場合に負荷が増えるため、足裏にタコができ易い方は特に注意が必要です。
足底腱膜炎は安静にすることで自然寛解する一方、長引くと「難治性足底腱膜炎」となる恐れがあります。
症状
足裏の痛みです。
踵や足裏の着地時に足底腱膜が伸ばされることで痛みを生じるため、歩き出しの際に痛みが現れやすい傾向みられます。
足裏全体に痛みを感じる場合もありますが、
- 踵(かかと)付近
- 中央(土踏まず)
- 指先付近
の順で痛みを感じる場合が多い傾向があります。
痛みは、運動時に強く現れることもあれば、運動後徐々に強くなるケースもあります。
原因
足裏への負荷です。
ランニングやジャンプ動作により足裏への負荷が続くことで、足底腱膜に小さな断裂や炎症が起こります。
ふくらはぎの筋肉が硬くなっている方や足裏のアーチが低い(扁平足)の方は、足底腱膜への負荷が増えやすいため、発症する可能性が高くなるので注意が必要です。
また、硬い路面も足底腱膜への負荷が増える要因になるため、靴底のしっかりとした履き物を使用されることも大切になります。
治療方法
安静と薬物療法が中心に行われ、患部の炎症を落ち着かせることが優先になります。
「踵骨棘」と言って踵(かかと)の骨が棘(とげ)のように飛び出すことが痛みが現れている場合には、踵骨棘を切除する手術をおこなう場合もあります。
骨棘はレントゲンで確認することが出来るため、足裏の痛みを感じた際には整形外科の受診をご検討ください。
最近はオーダーメイドのインソール作成や体外衝撃波治療を行う「足専門の整形外科」もあります。
ご自身でリハビリ運動されるには、水中運動やエアロバイクのような足裏への負担が少ない運動が効果的です。
また、回復時間の短縮や予防に繋がるため鍼灸の併用もおすすめです。
鍼灸の効果
鍼灸は緊張した筋肉や神経を緩和する効果があります。
硬くなったアキレス腱(ふくらはぎ)や足底腱膜を緩め、痛みにより生じている知覚神経の興奮を抑えることで、早期回復が期待できます。
また、リハビリの一環として取り入れていただくことで、筋肉の柔軟性が向上して足裏への負担が軽減するため再発防止にもつながります。
局所麻酔のような「1回で痛みが無くなった」というようなことはあまり期待出来ませんが、中長期な視点で捉えると回復時間の短縮になるので、習慣的にランニングをされる方や頻繁に足裏が痛くなる方におすすめです。
足裏に痛みを感じたら
足底腱膜炎は足裏への負担が続くことで足底腱膜に炎症が生じている状態です。
痛みを感じた際には、安静にして足裏への負担を軽減することが重要になりますが、骨棘がみられる場合には外科的療法も検討する必要があるため、まずは整形外科の受診をご検討ください。
炎症が落ち着き、リハビリをされる場合には水中運動やエアロバイクのような足裏への負担が少ない運動から取り組まれると再発防止になります。
また、ふくらはぎ(アキレス腱)など筋肉の柔軟性を向上させておくことで早期回復や再発防止につながるので、ランニングがお好きな方や定期的に足裏に痛みを感じる方には鍼灸もおすすめです。
この記事の著者
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『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。
鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。
当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
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