眼精疲労への対処と鍼灸治療の効果
近視や遠視による眼精疲労の他、近年ではスマートフォンやテレワーク普及によるVDT症候群の増加もみられます。
疲れ目やVDT症候群は眼の血行改善が大切になるため、鍼灸治療がとても効果的です。
今回はそんな眼精疲労について綴らせていただきました。
眼精疲労とは
眼に疲労が蓄積してしまった状態です。
眼を酷使した後に休息や睡眠で回復するものを「疲れ目」、
休息や睡眠で十分な回復が見られない状態を「眼精疲労」と呼びます。
症状
症状は「眼の症状」の他に「全身の症状」もあります。
眼の症状
- 眼の重さ、痛み
- 目の乾き、霞む
- 瞼(まぶた)がピクピクする
全身症状
- 頭痛
- 首肩凝り
- イライラ、吐き気
原因
眼の使いすぎ、疾患から起こるもの、近年ではテレワークやスマホの普及に伴う「VDT症候群」も増加傾向にあります。
屈折性・調節性の眼精疲労
屈曲や調整の異常により、遠視、近視、乱視、などの見え難さを起こし疲労します。
眼の中には「毛様体筋」という筋肉が水晶体の厚みをコントロールすることで焦点を合わせているのですが、この調整に伴う負担が蓄積することで眼精疲労につながります。
また、老眼は40代から始まり、加齢により水晶体が硬くなることで少しずつ見え辛くなります。
そのため、眼に合ったメガネやコンタクトレンズを常に使用されることがとても大切になります。
筋性眼精疲労
眼球は「外眼筋」と呼ばれる6本の眼筋が収縮・弛緩することで動きます。
- 左右の視線が合わない(斜視)
- 寄り目が上手く出来ない(輻湊不全)
といった状態は外眼筋への負担が増して眼精疲労につながるため注意が必要です。
症候性眼精疲労
眼疾患が原因で起こる眼精疲労です。
緑内障や白内障、網膜疾患が原因になります。
他にも、高血圧や更年期障害といった関連性がなさそうに思えるものが原因の場合もあります。
VDT症候群
VDTとはvisual Display Terminalの略です。
PCやスマホ画面を長時間見続けることにより、眼精疲労、首肩凝り、腰痛、消化器症状など様々な不調を起こすため、症候群と名付けられています。
VDT症候群の主な原因は疲れとストレスになるため、生活習慣の見直しがとても大切になります。
長時間のパソコン作業やスマホの閲覧
長時間の閲覧を強いる際にはブルーライトカット眼鏡を使用してドライアイを対策する。
精神的・肉体的なストレス
精神的・肉体的ストレスはお身体の血液循環を悪化(低下)させ脳や眼の血液循環状態が不十分となることで眼精疲労へと繋がります。
そのため、ストレス緩和や自律神経の調節、血液循環の改善などに効果を期待できる鍼灸治療がおすすめです。
鍼灸治療が眼精疲労に効果的な理由
鍼灸治療は、水晶体硬化に伴う老眼の改善など、眼自体の疾患へはあまり効果を期待できませんが、
- 血液循環の改善
- ストレス緩和
- 自律神経の正常化
などの眼精疲労に繋がる原因対策にとても効果的です。
また、眼精疲労と関係の深い首肩凝りの解消も期待できます。
眼の疲れを感じたら
眼精疲労の原因にはスマートフォンやPCによる眼の酷使、近視や遠視などの調整による疲れ、緑内障や白内障などの疾患、様々な原因が考えられます。
休息で改善がみられない、充血している、眼が痛む、といった場合には眼科を受診してください。
温かい蒸しタオルを目に置くと多少改善がみられる、日常生活中の原因に検討がつく、といった方はストレス緩和や諸症状を改善し、眼精疲労や視野を明るくする効果を期待出来る鍼灸治療を一度試されることをおすすめいたします。
この記事の著者

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『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。
鍼灸治療は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。
当治療室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
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渋谷-田町「三光坂下」より徒歩3分
鍼灸師のコメント
眼精疲労と首肩凝りの関係性
眼の疲れを感じている際に「後頭部を押したら眼の疲れが軽くなった」といったご経験をされた方も多いのでは無いでしょうか?
顔面の感覚を司る神経(三叉神経)は大きく3本で構成されており、この内の1本が眼窩(眼の奥)から前額部(おでこ)にかけての感覚を司っております。
この眼の神経(三叉神経の第1枝)は頭の中で後頭部を司る「後頭神経」と繋がっているため、
といった現象が起こります。
そのため、後頭部の緊張している筋肉を鍼灸で緩めることはとても効果的です。