自律神経失調症への対処と鍼灸治療の効果

慢性的な疲労感、不眠や便秘このような症状が続き、病院で検査を受けても原因が不明な場合には「自律神経失調症」の可能性が考えられます。

今回はそんな身近な症状を呈する自律神経失調症について綴らせていただきます。

自律神経失調症とは

自律神経失調症は生活習慣の乱れやストレスなどの原因により、自律神経のバランスが乱れることで身体の不調が生じている状態を指します。

自律神経の働きを正確に調べる検査が難しく、精神的ストレスなどの検査では推し量れないため、検査結果だけで語ることができないのが特徴的です。

そもそも自律神経とは

自己の意思を介さず自動的な(自立した)働きを24時間常におこなっている神経です。

  • 活動(運動)時に優位に働く「交感神経」
  • 休息中に優位になる「副交感神経」

という二つの神経から成り立ち、呼吸や血圧など身体の状態を外部環境に最適化する働きを担っています。

生活習慣の乱れや過度なストレスにより自律神経のバランスが乱れることで様々な不調・症状が現れます。

自律神経の詳しい情報はこちらをご参照ください。

自律神経失調症の症状

身体的な不調や精神的落ち込みなど心身両面の様々な症状があります。

身体的な症状として、

  • 頭痛、肩凝り、手足の痺れ
  • 倦怠感、動悸息切れ
  • 耳鳴り、不眠、微熱が続く

精神的な症状として、

  • 怒りやすい(イライラする)
  • 不安感や恐怖心が現れる
  • やる気が出ない

などが代表的な症状として挙げられます。

症状の現れ方や強さにも個人差がみられるのが特徴です。

自律神経失調症の原因・タイプ

自律神経失調症の原因・タイプは大きく3つのタイプに分類されます。

本態性自律神経失調症

生まれつき自律神経が乱れやすい(体質)によるもので、

  • 風邪を引きやすい(虚弱体質)
  • 低血圧

といった方に多く見受けられるタイプです。

神経症型自律神経失調症

心理的な影響(ストレス)によるもので、

  • 体調変化に敏感な方
  • 神経過敏になり易い方

に多く見受けられるタイプです。

心身症型自律神経失調症

自律神経失調症の中でもっとも多いタイプです。

日常生活でのストレスによるもので、

  • 几帳面
  • 生真面目

といった方に多く見受けられます。

また、心身症型自律神経失調症の場合には心身の両面に症状が現れます。

鍼灸師のコメント

抑うつ型自律神経失調症

心身症型自律神経失調症が悪化すると、

  • やる気が起きない
  • 気分が塞いでしまう

といった「鬱」へと進行してしまいます。 

そのため、お身体からのサインを早めに感じ取り対処することが重要になります。

対応・対処方法

鬱病との勘違いや自律神経失調症と自己判断していた結果、隠れた疾患を見逃していたといった危険性もあるため、軽い症状でも長引く(1.2カ月続く)場合には1度病院へ掛かった後に症状やタイプ(原因)に合った改善方法を取り入れることをお勧めいたします。

代表的なも対処方法として、

  • 生活習慣(ライフスタイル)の見直し
  • 自律訓練法によるセルフコントロール
  • 病院(クリニック)でのカウンセリング
  • 不眠症に対する睡眠導入剤などの薬物療法
  • 音楽やアロマといったリラクゼーション
  • 鍼灸やマッサージ

このような方法の中からご自身の体質や性格、ライフスタイルに合わせて改善することが効果的です。

鍼灸が効果的な理由

鍼灸は自律神経の過緊張を抑える最適な治療方法になります。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」が状況に応じてスイッチングしているかのように伝えられていますが、身体に最も良い状態はどちらも高い状態にある時です。

交感神経の過剰(副交感神経の低い時)は感染症に罹りやすく、逆(副交感神経の過剰)はうつ病を発症しやすくなります。

これまではストレスフルな状態による交感神経の過緊張症が目立っておりましたが、昨今デスクワークやテレワークなど頭脳活動が増える一方、重労働や歩行量が減ることで運動量が落ちて副交感神経の過緊張症も多くみられるようになりました。

鍼灸刺激は過緊張状態に陥った自律神経の働きを和らげたり、βエンドルフィンの分泌を活性化させるリラクセーション効果もあります。

また、肩凝りや頭痛といった身体症状に直接アプローチすることができ、大きな副作用もないので安心して受けることができます。

最後に

自律神経失調症は生活習慣やストレスにより、

  • 肩凝りや倦怠感など身体症状
  • イライラや不安感など精神的な症状

心身両面に対して様々な症状が現れます。

また、鬱病と勘違いしてしまうケースや自律神経失調症と自己判断をして過ごしていた結果、隠れた疾患を見逃していたといった危険性もあるため、軽い症状でも長引く(1.2カ月続く)場合には1度病院へ掛かった後に、症状やタイプ(原因)に合った改善方法や鍼灸治療の併用をお勧めいたします。

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。

鍼灸治療は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。

当治療室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。

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治療料金

鍼灸治療:7,000円〜(税込)
詳細は以下ページをご参照ください。

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