「ものもらい」への対処と鍼灸治療の効果

高温多湿のこの時期は細菌が増えやすく「ものもらい」が起こり易い季節でもあります。

今回は誰しもが経験するであろう「ものもらい」について綴らせていただきました。

「ものもらい」とは

目の周囲に生じた出来物の総称を「ものもらい」と呼び、地域によっては「めいぼ」や「めばちこ」とも呼ばれております。

結膜炎と違い「ものもらい」は他人に移してしまう心配はございません。

瞼(まぶた)の腫れや目ヤニ、目の痒みなど様々な症状が挙げられますが、「ものもらい」は原因により「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」や「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」と呼ばれます。

麦粒腫(麦粒腫)

まつ毛の毛根やマイボーム腺(涙が直ぐ乾燥しない様に油分を含ませ潤いを保つ役目)に細菌が感染することで腫れてしまうものです。
まつ毛の毛根に細菌感染したケースを「外麦粒腫」、マイボーム腺に細菌感染したケースを「内麦粒腫」と細かく分けて呼ぶ場合もあります。

麦粒腫の原因となる細菌は黄色ブドウ球菌をはじめ種類が多く、水で洗浄すれば洗い流せてしまう細菌から重症化してしまう細菌まで様々です。
手指が汚れた状態で目に触ることで感染してしまうケースが最も多いとされています。

症状は目の腫れに加え、赤みや痛み(痒み)の他、炎症がひどい場合には発熱を伴う場合がございます。

目の腫れ(嚢胞)が破れることで自然と回復するケースが一般的ですが、稀に外科的な膿の排出を必要とするケースがあります。

霰粒腫(さんりゅうしゅ)

マイボーム腺(涙が直ぐ乾燥しない様に油分を含ませ潤いを保つ役目)の出口が詰まることで生じます。

麦粒腫(麦粒腫)とは異なり、細菌感染を伴わないのが特徴的です。

軽い痛みなどの症状が現れますが、数日で消えて痛みを伴わない腫れが徐々に大きくなるため、目の痛みや痒さよりも異物感を強く感じ易いのが特徴的です。

一般的には2〜4週で改善する事が多く、細菌感染が原因では無いため抗菌薬などは効果が期待出来ません。

対処法や予防法

代表的な予防や対処法として下記の方法が挙げられます。

予防

手指や患部を清潔に保ち、免疫力が下がらないよう日々過ごされる事が最も重要になります。

手洗い・目元を清潔に保つ

手指を介した細菌感染や患部への刺激が原因となってしまうため、日頃より手洗いをしっかりと行い、必要以上に目元に触れないといった事が大切です。

また、コンタクトレンズや付け睫(まつげ)・アイメイク時に清潔に保つ心掛けも重要になります。

免疫力の向上

免疫力が落ちていない状態であれば、目に細菌が触れても感染する可能性は低くなります。

しかし免疫力の低下している高齢者や別の治療を行なっている方などは感染がしやすいので注意が必要です。

食事・睡眠・運動といった生活習慣を整える事は免疫力の向上に繋がります。

対処法

対処には以下の様な方法が挙げられます。
しかし、症状が重い・悪化するなどの場合には1度眼科の受診をお勧め致します。

眼科の受診

抗生物質の点眼薬や内服、重い症状の際には切開などが行われます。

自然と治るのを待つ

数日〜数週間で治るため、自然と治るのを待つのも1つの方法ではあると思います。
しかし、症状が重い場合や悪化する場合には抗生剤や切開処置が必要になるケースもありますので眼科の受診をお考え下さい。

目の周りを温める

温めた蒸しタオルなどを使用して目の周りを温め、軽く瞼(まぶた)をマッサージすることでマイボーム腺がつまり辛くなります。
また、目の周りの血流が改善することで老廃物が流れやすくなります。

市販の目薬を使用する

市販されている「ものもらい」用の目薬には、

  • 抗菌作用
  • 鎮静作用
  • 新陳代謝の促進作用

といったものが含まれております。

鍼灸を受ける

上記の「目の周りを温める」や「市販の目薬を使用する」に近い効能にりますが鍼灸を行うことで、

  • 自律神経が整い免疫力が向上する。
  • 目の周囲や全身の血流が整うことで早い回復へと繋がる。

などの効果が期待出来ます。

実際に当室で「ものもらい」施術の翌日に腫れが引きはじめ、2.3日後には殆ど目立たなくなり大変喜んでいただけたケースもございます。

また、鍼灸治療は抗菌薬や温湿布などを使用した場合と比較して「ものもらい(麦粒腫)」を寛解させる可能性を高めるかもしれない!ともいわれており、今後の更なる結果集積や解明に期待が集まっております。

最後に

「ものもらい」は放っておいても治るケースがあるとても身近なものですが、痛みや腫れが強い場合には抗生剤や切開が必要な場合もございますので、そのような場合には1度眼科の受診をお勧め致します。

また、瞼(まぶた)の腫れを少しでも早く引かせたいとお考えの場合には、1度鍼灸を受けられることをお勧め致します。

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。

鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。

当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。

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