むずむず脚症候群への対処と鍼灸治療の効果
横になっている時や座っている時に足がムズムズする・・・
そのような症状の場合に「むずむず脚症候群」の可能性が考えられます。
むずむず脚症候群は別名レストレスレッグス症候群や下肢静止不能症候群とも呼ばれ、安静にしている時にムズムズ感や痛み(痒み)といった不快感が現れる症状です。
日本で「むずむず症候群」にお悩みの方は300万人程いるとも言われており、長年気になる方や妊娠中だけ気になるといった方まで様々です。
今回はそんな「むずむず脚症候群」について綴らせていただきます。
症状
ミミズが足を這っている感覚がする・・・と表現される方もおり、主な症状は足のムズムズ感や痛み(痒み)になります。
また、足の表面が虫刺されのように痒い場合とは異なり、足の内部(中)が痒いと表現されるのが特徴的です。
症状は日中よりも夕方から夜間にかけて現れやすく、ふくらはぎで左右対称に症状を感じるケースが最も多いとされております。
足を動かすことで痒みが和らぐケースもありますが、最も辛いのは眠れなくなってしまい、昼間の疲労感や日常生活の質の低下に繋がってしまう事です。
原因
原因として、
- 遺伝子の原因(MEIS1の欠損)
- ドパミン神経細胞の機能低下
- 血管内皮細胞の鉄貯蔵不足
- 鉄欠乏性貧血や腎不全など他の病気や吐き気止めなど薬の影響
といった様々な原因が挙げられておりますが、最も多いのが「突発性」という原因が定かで無いケースで、下肢の血流低下や鉄分不足により起こることが多いとも考えられております。
対処法
軽症であれば生活習慣などの方法で改善するケースもあります、中等症〜重症な場合には薬物による治療が必要となるケースもあります。
そのため、まずは睡眠障害の精神科や神経内科などの専門医の受診をお勧めいたします。
また、改善に鍼灸治療の併用もおすすめ致します。
生活習慣での改善
- カフェインやアルコールを避ける
- 鉄分を補給する
- 運動やマッサージ
この3つを生活の中で取り入れることで改善するケースもございます。
カフェインやアルコールを避ける
カフェインやアルコールの過剰摂取は眠りを浅くしてしまいます。
また、カフェインは鉄分の吸収を阻害する原因にもなってしまいます。
そのため、過度な摂取は控えらることをお勧めいたします。
鉄分を補給する
鉄分の欠乏が症状を引き起こす原因の1つとも考えられております。
妊婦さんの20%は鉄不足とも言われており、妊娠に伴う脚のムズムズ感が現れた際には特に意識した鉄分の摂取が重要になります。
ほうれん草やレバー等を取り入れ、バランスの良い食事の心掛けやサプリメントでの鉄分補給も効果的です。
※妊娠中にサプリメントを使用される際には、主治医とご相談の上で使用されることをお勧めいたします。
運動やマッサージ
- ウォーキング等の軽い運動
- 就寝前のストレッチやマッサージ
などを行うことで、筋肉を柔らかくして血流を良くすることも重要になります。
薬物療法
症状の強い場合に生活習慣の改善と併せて適切な薬物治療を行うこともあります。
その際には、神経細胞ドパミンの働きを補う薬や、貼薬などが使われております。
また、血流改善薬の投与で症状が回復されたケースなどもあります。
鍼灸治療
むずむず脚症候群に対して鍼灸治療もお勧めです。
姿勢不良や筋肉の疲労が回復していないがために発症した場合には、筋肉の疲労を取り除き正しい姿勢を意識することで改善が期待できます。
また、下肢にしっかりと血液が循環するお身体にすることでの改善も期待できます。
鍼灸を行うことで、ふくらはぎなどの脚の状態だけでなく、お身体全体を整えることで内臓の調子も整い、腸での鉄分をはじめとした栄養素吸収の向上も期待することができます。
最後に
むずむず脚症候群は、鉄分不足や下肢の血流悪化などが原因となる場合の他に、
- 鉄欠乏性貧血など他の病気
- 吐き気止め等の薬の影響
など様々な原因が考えられます。
対処法も、運動や食生活(サプリメント)といったもので改善が見受けられるものから、神経細胞ドパミンの働きを補うお薬を服用した方がいいケースまで多く挙げられます。
そのため、まずは睡眠障害の精神科や神経内科などの専門医の受診をされ、症状や原因に適した対処法を試されることをお勧め致します。
この記事の著者

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『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。
鍼灸治療は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。
当治療室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
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