結膜炎への対処と鍼灸治療の効果

目が充血して赤くなる「結膜炎」

結膜炎はアレルギー反応や感染症で起こるため、適切な治療と免疫力の向上が大切になります。

抗生物質や抗炎症薬の使用で数日〜数週間で回復しますが、長期間回復しない場合には鍼灸で免疫力を整えることが早期回復につながるためおすすめです。

今回はそんな結膜炎について綴らせていただきました。

結膜炎とは

目を強く擦る、汚れた指で触るなどの刺激により結膜が炎症を起こした状態です。

結膜は瞼(まぶた)の裏側から白目を覆い、汚れや細菌・ウイルスから目を保護する働きをしています。

細菌感染やアレルギー反応など、炎症が起こる原因により対処方法が異なるため、原因に適した対応が大切になります。

症状

目の充血、瞼の腫れや痒みが主な症状です。

目で炎症が生じているため、目脂(メヤニ)や光過敏なども起こります。

炎症が細菌感染で生じている場合には「目脂」、アレルギー反応で起こった場合には「目の痒み」など、原因によっても症状は多少異なります。

原因

アレルギー反応、細菌感染、ウイルス感染、3つの原因により結膜炎の種類が異なります。

アレルギー性結膜炎

アレルギー反応による結膜炎で、アレルゲン(アレルギーの原因となる物)に触れることで起こります。

アレルゲンはコンタクトレンズの汚れ、ホコリやタバコの煙、花粉やハウスダストなど、さまざまです。

そのため、アレルゲンを特定して接触機会を減らすことが大切になります。

細菌性結膜炎

黄色ブドウ球菌や連鎖球菌など、細菌感染で起こります。

原因となる細菌は、水や涙で洗い流せる弱い菌から重症化しやすい菌まで、さまざまです。

過労やストレスにより免疫力の低下している方は、炎症を起こしやすいため注意が必要です。

ウイルス性結膜炎

アデノウイルスやコクサッキーウイルスなど、ウイルスに感染することで起こります。

ウイルス性結膜炎は感染の可能性が高いため、感染拡大を防止するためにタオルなどの共有物には注意を払う必要があります。

ウイルス性結膜炎は流行性角結膜炎、咽頭結膜炎、急性出血性結膜炎が有名です。

流行性角結膜炎

アデノウイルス感染で起こり、感染力が強いため「流行り目」とも呼ばれます。

眼の充血や目脂(メヤニ)、痒みや腫れといった一般的な症状が現れますが、稀に角膜炎を起こしてしまうこともあるため「目のかすみ」などを感じた場合には眼科の受診をご検討ください。

咽頭結膜炎

アデノウイルス(三型)感染で起こり、プールから流行することが多く「プール熱」とも呼ばれます。

眼の症状よりも、発熱や喉の痛みといった風邪症状が強く現れるのが特徴です。

急性出血性結膜炎

コクサッキーウイルスやエンテロウイルスに感染することで起こります。

目の充血が特に強く、目脂(メヤニ)、眼の不快感(ゴロゴロ感)が現れることもあります。

過去に大きく流行したことがありますが、近年は流行していません。

治療

対処療法が中心になります。

通常、眼科を受診して原因に適した目薬で治療することで数日〜数週間で改善しますが、免疫力が低下してる場合には1ヶ月以上改善がみられないこともあります。

そのような免疫力の低下が疑われる際には鍼灸がおすすめです。

アレルギー性結膜炎の場合

アイシングや抗ヒスタミン系目薬で炎症を抑える、アレルゲンを避けるといったことが大切です。

コンタクトレンズの使用頻度や衛生管理に注意を配る、空気清浄機の常用や眼鏡・マスクの着用、室温や湿度の管理といった日頃の対策が効果的です。

細菌性結膜炎の場合

細菌感染の場合には、抗生物質を使用して細菌を除去します。

症状は数日で落ち着きますが、完全に治るまでは医師の指示通りの期間、薬を服用してください。

ウイルス性結膜炎の場合

ウィルスに有効な眼薬はありませんが、ウイルス感染中に細菌感染を併発する「混合感染」を防ぐため、抗生物質と抗炎症薬の目薬を使用することがあります。

鍼灸の効果

鍼灸には免疫力を向上させる効果があり、WHOの鍼灸適応疾患の1つに結膜炎が含まれています。

免疫機能が高い時には多少汚れた手指で目に触れても、細菌やウイルスに感染しませんが、免疫力が低下している時には感染しやすくなり、身体が疲れている状態はアレルゲンにも過剰に反応してしまいます。

通常、数日〜数週間で改善がみられる結膜炎が長引いてしまっている場合には、免疫力の低下が考えられます。

そのため、静養に併せて鍼灸をおこない、自律神経や免疫の状態を整えることが早期回復や予防に繋がるためおすすめです。

結膜炎が1ヶ月以上改善しない、治ってもすぐに再発してしまう方は鍼灸をご検討ください。

眼が充血した際には

結膜炎は免疫機能が低下している時に、アレルギー反応、細菌やウイルス感染によって起こります。

細菌感染の場合には抗生物質の点眼薬といったように、原因に適した目薬を使用することが大切になり、異なる原因同士の「混合感染」や結膜炎が悪化して起こる「角膜炎」を防ぐためにも、まずは眼科の受診をご検討ください

眼科で処方された目薬や治療を行っても1ヶ月以上改善がみられない方、直ぐに再発してしまう方は免疫力を向上させる鍼灸がおすすめです。

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。

鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。

当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。

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