脳卒中後遺症への対処と鍼灸治療の効果

寝たきりの原因1位ともいわれる脳卒中。
脳卒中では損傷箇所により後遺症が異なります。
後遺症の症状にもあげられる、

  • 関節の拘縮(関節が硬くなってしまう)
  • 筋肉の痙縮(筋肉が緊張してこわばってしまう)

の改善に鍼灸マッサージはとても効果的です。
また、寝たきり状態など外出の困難な場合には健康保険を使用した鍼灸マッサージを受けることも可能になります。

今回はそんな脳卒中後遺症について綴らせていただきます。

そもそも脳卒中とは

脳の血管が破れる・詰まってしまうことで栄養が行き届かなくなり、身体機能や言語機能といった脳の働きが損なわれてしまう疾患で、脳血管障害とも呼ばれております。
脳血管障害は、「脳の血管が詰まるケース」と「脳の血管が破れるケース」の大きく2つに分けられます。

脳の血管が詰まるケース

脳梗塞と呼ばれ、動脈硬化などにより生じた血栓(血の塊)が詰まってしまうケースです。

脳の血管が破れるケース

脳出血と呼ばれ、脳の血管が加齢や高血圧などにより脆くなった結果、破れてしまうケースです。
また、脳を養う大きな血管に生じた動脈瘤や動静脈奇形が破裂することで、脳表面に出血をきたす「クモ膜下出血」なども挙げられます。

脳卒中の症状

脳卒中は症状や状態により対処が異なり、早期の治療開始により後遺症が軽くなる可能性があります。
代表的な症状として下記4つが挙げられます、

呂律が回らない

上手く言葉がでない、他人の言っていることが理解できない

ふらふらする

立てない、歩けない

物が二重に見える

視野の半分が欠ける、一時的に見えなくなる

今までに経験したことのない激しい頭痛がする

このような激しい頭痛や脳卒中が疑われる場合には早急に病院を受診してください。

脳卒中の原因(危険因子)

脳卒中の危険因子として代表的なものに下記4つが挙げられます。
どれも生活習慣との関わりが深く、服薬でのコントロールに併せ日常の生活習慣改善が効果的です。

高血圧

血管への負担が増え、詰まりや破れの原因となります。
また、高血圧や動脈硬化の原因にもなる「喫煙」にも注意が必要です。

糖尿病

近年、増加傾向にある糖尿病。
糖尿病は血管や神経をボロボロにしてしまう病気のため、血管が破れやすくなってしまいます。
3食のバランスを摂ることもさることながら、体重のコントロールも大切になります。

脂質異常症

血栓の作られやすいお身体へつながってしまいます。
特に悪玉と呼ばれるLDLコレステロールが高い人は脂質制限も大切になり、キノコや海藻、根菜類の摂取が効果的です。

不整脈

心臓で生じた血栓が脳血管を詰まらせてしまうケースもあります。
血液を固まりづらくする抗凝固薬などを服用し、脳梗塞を予防することが大切になります。

脳卒中の後遺症のリスク低減

後遺症のリスク低減には、できる限り早いリハビリ開始が大切になります。
リハビリは大きく、急性期・回復期・維持期に分かれます。

急性期のリハビリ

発症から数日〜約2週間(1ヶ月)を急性期と呼び、再度危険な状態になりやすいため、バイタルサインに注意を払いながら「廃用症候群」を防ぐためにベッド周辺でのリハビリテーションを開始します。

廃用症候群とは

寝たきり状態が続くことで、筋肉の衰えや関節硬化、骨の委縮などにつながってしまうことをいいます。

回復期のリハビリ

発症から5〜6ヶ月を回復期と呼び、血圧が安定してきやすい時期でもあるので症状に応じた様々なリハビリテーションが開始されます。
後遺症が改善する可能性も高い段階です。
歩行や食事、入浴といった在宅復帰に向けての日常生活動作を集中的にリハビリをおこないます。

維持期のリハビリ

発症から6カ月目以降を維持期と呼び、通院(施設)や自宅でリハビリをおこなうことで日常生活動作の維持・向上を計ります。

  • 車椅子への乗り降りをスムーズにおこなえるように理学療法士さんとリハビリをおこなう
  • 廃用症候群の予防や筋肉の痙縮予防を目的として鍼灸マッサージを受ける

などもこの時期にあたります。

  

鍼灸マッサージが効果的な後遺症

脳卒中の後遺症でよくみられる障害の一つに筋肉の痙縮(けいしゅく)と関節の拘縮(こうしゅく)いう症状が挙げられ、

  • 筋緊張や浮腫みの緩和
  • 関節の動きの改善

をすることで日常生活動作の改善やリハビリ運動の向上につながります。

関節の拘縮

手足を動かさない時間が長くなってしまうことで関節が硬くなってしまいます。

筋肉の痙縮

筋肉が緊張しすぎてしまい、手足が動かしにくい(勝手に動いてしまう)状態で片麻痺と一緒に現れるケースが多くあります。
足の筋肉が緊張して歩きづらい、親指がこわばって物が掴み辛いなどの原因にもなります。

維持期のリハビリには目標設定が大切になります

現在、介護保険や健康保険を使用してさまざまなサービス(リハビリ)をおこなうことが可能です。
あまり有名ではございませんが、寝たきりなど外出が困難な方の場合にはマッサージも健康保険の適応となります。
リハビリの内容やお身体の状態に適したサービス(施術)をご選択いただき、より快適な日常生活を送っていただけますと幸いです。

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。

鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。

当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。

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