鍼灸と整体はどちらに行けば良いか
鍼灸と整体は国家資格の有無の他に、施術目的が異なります。
何かお困りの症状がある方は鍼灸をリラクゼーションを目的の場合は整体がおすすめです。
今回は鍼灸と整体の違いや特徴について綴らせていただきました。
鍼灸
はり師・きゅう師免許という国家資格を取得した者が、お身体に鍼やお灸を使った施術を行います。
鍼は東洋医学のイメージが強いかもしれませんが、人体に鍼を刺すため、国家試験内容の多くに「解剖学」や「生理学」といった西洋医学(現代医学)の範囲が含まれます。
そのため、人体に関する知識に一定以上の水準が担保されています。
また、鍼灸は医療系の国家資格のため、支払いが医療費控除の対象になり、症状によっては健康保険の使用も認められます。
そもそも鍼灸治療とは
気になる患部やツボに鍼やお灸を用い、刺激を与えて病気の治癒や予防をする方法です。
ツボとは長年積み重ねた経験により、刺激を与えることで何らかの効果が現れるポイントをいいます。
そのため現在不快に感じている部位から離れた箇所に刺激をしても、特定の部位に血流が増えるなどの変化が起こります。
基本的には自費での施術となりますが、保険適応内の疾患で医師の同意を得た場合には保険適用になります。
鍼灸での保険施術
「医師による適当な治療手段がなく、はり・きゅうの施術を受けることを認める医師の同意がある場合」に保険適応になります。
病院での治療経過に変化が見られない場合に鍼灸同意書をいただいて施術するケースが一般的です。
保険の適応症は、
- 神経痛
- リウマチ
- 五十肩
- 頸腕症候群
- 腰痛症
- 頚椎捻挫後遺症
が対象のため、全ての症状に保険施術をおこなえるわけではありません。
整体
元は海外から伝わったカイロプラクティックやオステオパシ-といった手技に、日本の手技を組み合わせたものを「整体術」と呼ぶようになったのがきっかけだといわれており、「整体」という言葉は戦後日本で有名になった造語になります。
さまざまな手技を混合させたケースが多く、施術内容はお店により異なり、資格不要のため健康保険を使用した施術や医療費控除の対象にならないため、リラクゼーションを目的とした施術の側面が強くなります。
「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格の取得者以外は「マッサージ」や「指圧」と表記してはいけないため、無資格者がマッサージ行為を行う時に「整体」と言い換えて使う傾向があります。
『マッサージと整体の違いに関する詳細はこちら』
全国展開しているような大手整体のお店では、「リラクゼーションを目的としているため治療効果は期待できません」などの旨を初回来店時に書面でサインするなど、施術の目的やリスク管理をされています。
整体のお店を選ぶ際の注意点
整体は資格が不要で誰にでも直ぐに始める事ができるため、身体に関する知識や技術、施術に関するリスク管理に個人差があります。
そのため、リラクゼーション目的に施術を受けられる際にも、柔道整復師、理学療法士といった「解剖学」や「生理学」など身体の基礎知識を持ち合わせた有資格者のいるお店をおすすめします。
また、お店によっては消費者向けに誇大広告をおこなうことで集客するケースもあり、万が一にも施術中に事故が起こった際に真摯に対応していただけるか不安が残ってしまいます。
そのため、◯◯を改善といったような内容を掲げているお店をご検討中の場合には慎重にご判断ください。
大切なお時間を費やして足を運ぶのであれば、施術目的をしっかりと掲げた真摯に対応してもらえそうなお店を選ばれることをおすすめします。
施術は目的とお好みに合わせて
何かお身体で辛い部分にお困りであるならば鍼灸院、リラクゼーションを目的であれば整体をおすすめします。
また、同じ施術方法でもお店や施術者によって細かい手技や効果は異なります。
そのため「どの施術者に任せてみよう」まで決められてから足を運ばれることをおすすめいたします。
この記事の著者
-
『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。
鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。
当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
この著者の最新記事一覧
- 2024年10月4日急性低音障害型感音難聴への対処と鍼灸治療の効果
- 2024年9月22日前脛骨筋腱炎への対処と鍼灸治療の効果
- 2024年7月28日顎関節症への対処と鍼灸治療の効果
- 2024年7月23日腸脛靭帯炎(ランナー膝)への対処と鍼灸治療の効果
当室で施術対象の症状・疾患に関する記事
神経系 | 肋間神経痛・手足の痺れ・坐骨神経痛・頭痛・自律神経失調症・顔面神経麻痺 |
---|---|
運動器系 | 肩凝り・肩関節周囲炎(五十肩)・腰痛・股関節痛・膝痛・腓骨筋腱炎・足底腱膜炎・ドケルバン症候群・ゴルフ肘・上腕二頭筋長頭腱炎・骨折、打撲、捻挫・脳卒中後遺症・寝違え・テニス肘・後脛骨筋腱炎・シンスプリント・鵞足炎・膝蓋腱炎(ジャンパー膝)・腸脛靭帯炎(ランナー膝)・顎関節症・前脛骨筋腱炎 |
消化器系 | 下痢・便秘・機能性ディスペプシア(FD)・胃十二指腸潰瘍・痔疾・過敏性腸症候群(IBS) |
循環器系 | 冷え性・高血圧・低血圧・心臓神経症・閉塞性動脈硬化症(ASO) |
感覚器系 | 眼精疲労・突発性難聴・耳鳴り・メニエール病・ものもらい・結膜炎・花粉症・めまい・眼瞼痙攣・急性低音障害型感音難聴 |
呼吸器系 | 風邪症候群・気管支喘息 |
婦人科系 | 不妊症・逆子・月経痛・女性更年期障害 |
代謝内分泌系 | 糖尿病・痛風・脚気 |
泌尿生殖器系 | 前立腺肥大症(BPH)・膀胱炎・過活動膀胱・男性更年期障害 |
その他 | 慢性疲労症候群(CFS)・脱毛症・不眠症・むずむず脚症候群(RLS)・不安神経症・関節リウマチ(RA)・アトピー性皮膚炎(AD)・鬱病(大うつ病)・不定愁訴 |
指定難病 | パーキンソン病(PD)・全身性強皮症(SSc) |
アクセス
東京都港区白金3-9-16 マロン白金3A
東京メトロ
白金高輪駅(4番出口)より 徒歩6分
白金台駅(2番出口)より 徒歩9分
都営バス
渋谷-新橋(赤羽橋)「四の橋」より徒歩3分
渋谷-田町「三光坂下」より徒歩3分