腸脛靭帯炎(ランナー膝)への対処と鍼灸治療の効果
膝の外側に痛みを感じる「腸脛靭帯炎(ランナー膝)」
腸脛靭帯炎は膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで、膝の外側に炎症が起こり痛みが現れます。
痛みが現れた際には安静が最も大切になり、鍼灸を併用すると腸脛靭帯や周囲の筋緊張を緩和して柔軟性が向上するため、早期回復や予防につながるのでおすすめです。
今回はそんな腸脛靭帯炎について綴らせていただきました。
腸脛靭帯炎(ランナー膝)とは
膝外側に炎症が起こる病気です。
腸脛靭帯は太ももの外側に位置する厚い筋膜で、お尻の筋肉(大臀筋)から膝の外側にかけて付着することで、膝の安定性を高める働きを担っています。
膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで腸脛靭帯が膝の外側(大腿骨外側上顆)に干渉することで炎症が生じるため、長距離ランナーに多くみられることから「ランナー膝」とも呼ばれています。
症状
膝外側の痛みが主な症状です。
膝の外側から腸脛靭帯の走行に沿って痛みが現れる場合もあります。
痛みは運動開始時や運動中に現れる場合が多く、症状が悪化すると安静時にも痛むようになります。
腸脛靭帯と膝の外側(大腿骨外側上顆)の干渉が強いほど痛みは増大するため、無理せず安静にすることが大切です。
原因
使いすぎ(オーバーユース)が原因です。
ランニングやジャンプなど膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで、腸脛靭帯や下半身の筋肉が緊張して柔軟性が低下すると、腸脛靭帯と大腿骨外側上顆の干渉が強くなり接触面に炎症が起きてしまいます。
そのため、腸脛靭帯のストレッチや大臀筋やハムストリングスなど下半身の筋肉バランスを整えて、腸脛靭帯の負担を軽減することが重要になります。
治療
安静が中心になり、外科的療法が検討されることは殆どありません。
安静時に熱感があるような場合にはアイシングや消炎鎮痛剤を使用して炎症を抑えていきます。
そして炎症が落ち着いてきたら大臀筋やハムストリングスのバランス、腸脛靭帯の柔軟性向上にストレッチを行っていきます。
しっかりと筋肉をほぐして柔軟性を向上することが大切になるため、鍼灸も効果的です。
鍼灸の効果
鍼灸は大臀筋やハムストリングスを緩めて筋肉のバランス整えることで膝の負担を軽減します。
大臀筋やハムストリングスの筋緊張は腸脛靭帯を過度に緊張させてしまいます。
腸脛靭帯の緊張を緩めることで膝の外側(大腿骨外側上顆)との干渉が減るため、腸脛靭帯のストレッチだけでなく、下半身でバランスの崩れている筋肉を整えることはとても大切になります。
湿布やセルフストレッチで一向に改善しない、すぐ再発してしまう方は鍼灸をご検討ください。
膝の前面に痛みを感じた場合には
膝の痛みは腸脛靭帯炎の他にも、膝蓋腱炎など他の病気でも痛みが現れます。
そのため、自己判断で安静にせずまずは整形外科の受診をご検討ください。
腸脛靭帯炎の場合には安静が中心になりますが、鍼灸を併用することで筋肉の柔軟性とバランスが整い、早期回復や予防につながります。
「安静にしても回復しない方」や「治ってもすぐに再発してしまう方」は鍼灸をご検討ください。
この記事の著者
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『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。
鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。
当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
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