膝蓋腱炎(ジャンパー膝)への対処と鍼灸治療の効果
膝の前面に炎症が起こる「膝蓋腱炎(ジャンパー膝)」
膝蓋靭帯炎はジャンプ動作を繰り返すことで起こるスポーツ障害で、安静が最も大切になります。
安静時やリハビリ時期に鍼灸を行うと筋肉の緊張を緩和して柔軟性が向上するため、早期回復や予防につながるのでおすすめです。
今回はそんな膝蓋靭帯炎について綴らせていただきました。
膝蓋腱炎とは
膝蓋腱炎(しつがいけんえん)は膝前面の膝蓋腱に炎症が起こる病気です。
膝のお皿(膝蓋骨)とすねの骨(脛骨)をつなぐ膝蓋腱に負担が加わり炎症が起こります。
バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプ動作の繰り返しで起こるスポーツ障害の1つです。
ジャンプ動作での損傷が多いため「ジャンパー膝」とも呼ばれています。
成人でも起こりますが、15〜17歳の成長期に多く見られます。
成長期は骨が伸びているため、筋肉が引っ張られやすく、成人に比べて筋肉が腱になり骨に付着する部分への負荷が大きくなります。
症状
膝前面の痛みが主な症状です。
痛みは片膝だけの場合もあれば、両膝に痛みを感じる場合もあります。
炎症が起きているため、腫れや熱感もあり、運動中や運動後に痛みが増します。
膝蓋腱炎の初期は、階段昇降時やジャンプ時に痛みが現れますが、悪化すると日常生活にも支障をきたすようになります。
原因
ジャンプ動作の繰り返しが原因です。
ランニングやジャンプなど、膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで膝蓋腱に負担が加わり炎症が起こります。
太ももの筋肉(大腿四頭筋)とハムストリングスの筋力バランスが崩れたり、柔軟性が低下することで膝蓋腱への負担が増すため、炎症が起こりやすくなります。
そのため、運動前後のストレッチや大腿四頭筋とハムストリングス(大腿二頭筋)のバランスを考えながらトレーニングされることも大切です。
治療
安静が中心になります。
腱の損傷が酷い場合や断裂しているような重症の場合には外科的療法が検討されます。
安静時に熱感があるような場合にはアイシングや抗炎症剤を使用して炎症を抑えていきます。
そして炎症が落ち着いてきたら大腿四頭筋やハムストリングスのバランス・柔軟性の向上にストレッチを行っていきます。
しっかりと筋肉をほぐして柔軟性を向上することが大切になるため、鍼灸も効果的です。
鍼灸の効果
鍼灸は膝関節周囲の硬くなった筋肉を緩め、過敏になった神経を鎮静させる効果があります。
大腿四頭筋やハムストリングスの筋緊張を緩和してバランスを整えることができるのも強みの1つです。
リハビリや筋力強化を行なっても、筋肉のバランスが崩れて余計に痛みが増しては元も子もありません。
関節運動は実際に力を加える筋肉(主動筋)とゆっくり緩む筋肉(拮抗筋)が円滑に働くことが重要になります。
拮抗筋が力の強弱を調整することで円滑な関節運動が可能になり、仮に拮抗筋が機能しないと「扉をバタンと強く締めるような動き」になってしまうため、どちらか一方だけのトレーニングやストレッチで筋肉がアンバランスになってしまう状況は好ましくありません。
膝関節は臀部や大腿部の筋肉が緊張することで、動きの制限や靭帯(腱)への負荷が増えてしてしまうため、お身体全体の動きを確認しながらバランスを整える必要があります。
湿布やセルフストレッチで一向に改善しない、すぐ再発してしまう方は鍼灸をご検討ください。
膝の前面に痛みを感じた場合には
膝前面の痛みは膝蓋腱炎の他にも「オスグッド・シュラッター病」など、他の病気でも痛みが現れます。
そのため、自己判断で安静にせずまずは整形外科の受診をご検討ください。
膝蓋腱炎の場合には安静や理学療法が中心になりますが、鍼灸を併用することで筋肉の柔軟性とバランスを整うため早期回復や予防につながります。
「1ヶ月以上安静にしても回復しない方」や「治ってもすぐに再発してしまう方」は鍼灸をご検討ください。
この記事の著者
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『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。
鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。
当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
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