急性低音障害型感音難聴への対処と鍼灸治療の考え方
急に低い音が聞こえづらくなる「急性低音障害型感音難聴」
急性低音障害型感音難聴は、内耳の循環環境の変化で起こるされており、休息や体調管理が重要です。
また、体調や自律神経のバランスを整える方法として鍼灸も有用です。
今回は急性低音障害型感音難聴への対処方法と鍼灸の考え方についてご紹介いたします。
急性低音障害型感音難聴とは
低い音域が急に聞こえづらくなる感音難聴の一種です。
主に耳の奥にある内耳(蝸牛)環境が変化することで起こると考えられています。
似た症状を示す疾患に突発性難聴がありますが、突発性難聴は高音域にも障害が及ぶことが多く、性質が異なります。
突発性難聴については、『突発性難聴への対処と鍼灸治療の考え方』でも解説しています。
症状
耳が詰まったように感じる耳閉感が代表的な症状です。
低い耳鳴りや周囲の声が響いて聞こえるといった症状を伴うこともあり、症状は片耳だけの時もあれば、両側に現れる場合もあります。
また、めまいを伴うケースではメニエール病へ移行することもあるため注意が必要です。
原因
内耳のリンパ液や血流環境の変動が主な原因です。
睡眠不足や精神的ストレス、疲労の蓄積などが影響し、内耳にむくみが生じることで聴覚機能に変化が現れると考えられています。
また、耳管狭窄症や耳管開放症など、別の耳疾患でも低音難聴が現れることがあるため、症状が現れた場合には耳鼻咽喉科での検査が重要になります。
対処方法
薬物療法が中心です。
薬物療法では、内耳のむくみを軽減する浸透圧利尿薬や漢方薬が用いられることがあります。
急性低音障害型感音難聴は体調やストレスの影響を受けやすい疾患でもあるため、十分な睡眠や生活リズムの見直しも大切になります。
比較的早期に改善するケースもあれば、回復までに時間を要したり、再発を繰り返すこともあります。
症状の増悪時に、自律神経の乱れを感じる場合には、鍼灸もおすすめです。
鍼灸の効果
鍼灸には自律神経や血流を整えて、筋肉の緊張を緩和する作用があります。
睡眠不足やストレスによる自律神経の乱れは、血管を収縮させることで全身の循環にも影響します。
また、首や肩周囲の筋緊張が強い場合、頭部への血流環境に影響することがあり、筋緊張の緩和が体調管理につながるケースもあります。
施術を検討する目安
医療機関での診断と治療行っているものの、
- 症状を繰り返しやすい
- 首肩の筋緊張やストレスの影響が強いと感じる
このような場合に、鍼灸を検討する目安の一つとなります。
鍼灸を受ける際の注意点
鍼灸は比較的安全性の高い施術とされていますが、お身体に鍼を用いる以上、内出血やだるさなどの反応がみられることがあります。
副反応については『鍼灸の副反応(内出血やだるさ)について』もあわせてご確認ください。
こうした特徴を踏まえたうえで、症状や体調に応じて施術を検討していくことが大切になります。
当室の考え方
急性低音障害型感音難聴は医療機関での診断と治療が優先されます。
当室では、難聴そのものを改善する治療ではなく、体調や自律神経のバランスを整えて回復を支えることを目的に鍼灸を行っております。
この記事の著者

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鍼灸師/港区白金で開業8年
安心してご相談いただける鍼灸院を目指し、日々施術に取り組んでおります。
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内耳とは
耳は大きく分けて外耳・中耳・内耳の3つの構造から成り立っています。
外耳は音を集め、中耳は音の振動を増幅し、内耳は振動を電気信号に変換して脳へ伝えます。
外耳や中耳の障害によるものを伝音難聴、内耳や聴神経の障害によるものを感音難聴と呼び、急性低音障害型感音難聴は後者に分類されます。