急性低音障害型感音難聴への対処と鍼灸治療の効果
急に低い音が聞こえづらくなる「急性低音障害型感音難聴」
急性低音障害型感音難聴は心身の疲れにより内耳の循環不良で起こる病気で、休息やストレスケアが大切になります。
また、鍼灸で内耳循環を改善することで症状の緩和や予防効果が期待できるためおすすめです。
今回はそんな急性低音障害型感音難聴について綴らせていただきました。
急性低音障害型感音難聴とは
急性低音障害型感音難聴(きゅうせいていおんしょうがいがたかんおんなんちょう)は、
急に低音が聞こえが辛くなる病気です。
心身の疲労蓄積により耳の奥(内耳)のリンパや血流が悪化することで起こります。
似たような症状が現れる病気として「突発性難聴」がありますが、突発性難聴は高音域も聞こえ辛くなるため少し異なります。
『突発性難聴の詳細はこちら』
耳の構造と働き
そもそも耳は、
- 外耳:音を集める
- 中耳:集めた音を増大して奥に伝える
- 内耳:音の振動を脳への電気信号に変換する
大きく3つに分かれ、外耳〜中耳に問題が起きた場合を「伝音性難聴」、内耳に問題が起きた場合を「感音難聴」と言います。
急性低音障害型感音難聴は内耳のリンパや血流が滞ることで起こるため「感音性の難聴」となります。
症状
耳が詰まる感覚(耳閉感)が代表的な症状です。
自分や周りの声が響く、「ゴオーッ」という低い音の耳鳴りを感じることもあり、
症状は片側だけの時もあれば両耳に現れることもあります。
眩暈(めまい)を伴い、急性低音障害型感音難聴からメニエール病に移行することもあります。
『メニエール病の詳細はこちら』
原因
内耳(蝸牛)のリンパ液や血流悪化が原因です。
睡眠不足やストレスなど、心身の疲れが蓄積することで内耳の浮腫みや血流悪化を引き起こします。
血流やリンパの滞りを整えることで改善が期待できますが、長引いたり再発を繰り返す場合もあります。
また、「耳管狭窄症」や「耳管開放症」という耳管の病気でも低音が聞こえ辛くなるため、まずは耳鼻咽喉科の受診をご検討ください。
治療
薬物療法と休息が中心となります。
薬物療法では内耳の浮腫みを軽減するために、浸透圧利尿剤や五苓散のような余分な水を体外に出す漢方薬が用いられます。
急性低音障害型感音難聴はストレス難聴と言われる程、ストレスで起こることも多いため、休息をはじめストレスケアも大切になります。
循環不良によって症状が現れている場合には2週間程で改善がみられますが、人によっては月単位の期間を要する場合もあります。
リンパや血液の循環改善、ストトレス緩和には鍼灸も効果的ですので、思うように改善しない方や症状が繰り返し起こる方は是非ご検討ください。
鍼灸の効果
鍼灸では血流や自律神経を整えることで内耳の浮腫みを改善します。
首肩の筋肉が凝り固まると、筋肉の深部を走行する血管を圧迫して、頭(内耳)の浮腫みに繋がります。
また、ストレスにより自律神経が乱れた状態(交感神経が優位)は血管を収縮させるため、全身の循環が低下して内耳の浮腫みに拍車をかけます。
鍼灸は凝り固まった筋肉を緩め、自律神経が整うことで全身の循環が改善して内耳環境が整います。
そのため「休息しても改善しない方」は是非鍼灸をお試しください。
急に低音が聞こえ辛くなった場合には
低音の聞こえ辛さは「急性低音障害型感音難聴」の他に「耳管狭窄症」や「耳管開放症」でも同様の症状が現れますので、まずは耳鼻咽喉科の受診をご検討ください。
急性低音障害型感音難聴の場合には薬物療法や休息で回復が期待できます。
また、鍼灸を併用することで循環改善やストレス緩和による早期回復や再発予防が期待出来るのでおすすめです。
この記事の著者

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「白金のかかりつけ鍼灸院」を目指し、日々鍼灸施術に励んでおります。
鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。
当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
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