筋肉のコリと張りの違いとは?原因と対処方法について

筋肉が硬い状態を表す「凝り」と「張り」。

「凝り」と「張り」は成り立ちに違いがあるため、それぞれの対処方法にも違いがあります。

改善しづらい凝りの解消には鍼灸、張りの解消にはマッサージがオススメです。

今回はそんな「凝り」と「張り」の違いや対処方法について綴らせていただきました。

そもそも筋肉とは?

運動や姿勢保持の他に、血液を循環させる、エネルギー源を保管するなど、さまざまな働きを持ちます。

筋肉は、電線を輪切りにした時のように、筋繊維が集まってサランラップのような筋膜で束ねられ、その束が集まることで1つの筋肉を構成をしています。

筋肉を構成する「筋繊維」や「筋膜」の動きが円滑にいかないと、凝りや張り感を覚えてしまいます。

筋繊維が硬い状態を凝り、筋膜などのコラーゲン繊維が硬くなった状態を張りと表現します。

凝り(コリ)

「筋繊維」がギュッと縮まった(収縮)状態から、元に戻れない状態です。

部分的に力を入れ続けている状況のため、筋肉内の血流も悪化してしまいます。

筋肉に必要な分の血液が行き渡らない状態(虚血)になってしまうことで、痛みの原因物質も溜まり、患部に痛みや圧痛を伴います。

関節を動かして、筋肉を縮めたり伸ばしたりしても、硬い石のような筋繊維の固まりに触れる場合には凝りの可能性が考えられます。

張り(ハリ)

筋膜をはじめ、筋肉内の「コラーゲン組織」が引き延ばされて、突っ張った状態です。

引き伸ばされた状態が続くことで、コラーゲン組織が架橋結合(かきょうけつごう)という伸縮性を失った状態になることで起こります。

全体に張り感を感じますが、部分的な痛みはなく、筋肉を収縮させると張り感が取れます。

濡れた雑巾を絞った状態が「凝り」だとすると、雑巾を寒い場所で凍らせた状態が「張り」です。

筋肉の硬さは放置していいの?

筋肉の硬さや痛みは、患部のセンサーから電気信号として脳に伝わって処理されます。

この信号を放置しているとセンサーは過敏になり、少しの刺激でも反応するようになり、慢性的に硬さや痛みを感じるようになります

筋肉が硬くなると痛む理由

筋トレやランニングなど、自覚するほどではなくとも筋肉は傷ついています。

重い物を持ち続けると痛みや痺れが起こるのはこのためです。

大袈裟に言えば組織が損傷している状態とも言えます。

組織が損傷して痛む流れは大まかに以下4つをループします。

  • 1.傷付いた箇所を脳に知らせるため、患部で発痛物質「ブラジキニン」が現れます。
  • 2.ブラジキニンは近くにある神経(知覚神経)にぶつかり、神経の先端にある痛みセンサー(ポリモーダル受容器)で痛みを感知して脳に伝えます。
  • 3.脳は組織損傷に対応するために交感神経を緊張させて血管を収縮することで出血を抑えて緊急時に備えます。
  • 4.からだの血流が悪化して筋肉の細胞が酸欠状態になります。

組織細胞の酸欠が起こり、発痛物質の生成が促進されるため、痛みが痛みを生む連鎖が作られます。

「凝り」と「張り」の対処方法

「凝り」や「張り」は発生原因に違いがあり、放置すると悪化します。

凝りは患部が虚血状態のため鍼灸が、張り感の解消にはマッサージも効果的です。

『鍼灸の効果に関する詳細はこちら

しかし実際にはどちらか一方だけという状況よりも、両方起こっている場合が多く、対処方法はケースバイケースになってしまいます。

そのため、からだの状態やお好みに合わせて施術可能な鍼灸院がオススメです。

からだに合った施術を

筋肉の「凝り」と「張り」は、どちらも不快な症状ですが、発生や対処法が異なります。

どちらも、温めたりストッチを行うことで、不調を予防・改善することができます

セルフケアで改善があまりみられない場合には、鍼灸やマッサージ施術を是非ご検討ください。

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
「白金のかかりつけ鍼灸師」を目指し、日々鍼灸に励んでおります。

鍼灸は多くの症状改善に効果が期待できる一方で、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先する場合もあります。

当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。

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