鍼灸治療の期間や回数の目安
鍼灸施術のペースや頻度は、症状や体質により個人差があり、ケースバイケースになります。
しかし目安を設けたい場合には、週1ペースで1ヶ月試されることをおすすめします。
今回はそんな鍼灸施術の期間や回数について綴らせていただきました。
そもそもなぜ鍼が効くのか?
鍼をすると、からだの中では「異物(鍼)が入ってきたから除去しよう」という状態になります。
そして、異物(鍼)を速やかに排除するために、免疫細胞が活性化したり、血流が促進します。
この「免疫細胞の活性化」や「血流促進」作用により、血行不良で滞っていた患部の血流が回復して、新しい酸素や栄養素が行き渡ることで、コリや痛みが改善します。
血流改善により症状に変化が現れるため、直後効果も去ることながら、翌日や翌々日に解消するケースが多くあります。
まずは目標設定から
鍼灸は「主訴(主観)」と「脈などの現状」から施術を考えていきます。
MRIや血液検査のような画像や数値での客観性に乏しいため、どこまでの改善を希望しているかなど、目標設定が重要になります。
症状の強さ、不快感や痛みの感じ方はお一人お一人異なります。
筋骨隆々な方でも鍼刺激が苦手な方もいますし、小柄な方でしっかりと刺激を入れないと全く変化を感じない方もいらっしゃいます。
そのため、どの症状に何回という目安よりも「この痛みがなくなったら」や「この動きができるようになる」といった個人目標を設定することが大切です。
どのくらいの頻度で通えばいいか
症状の強さや鍼灸刺激への過敏性には個人差があります。
初回施術後の変化(経過)を踏まえて、同じ担当者と話し合いながら刺激量や施術回数を決めていくのがベストです。
もし、施術頻度や回数に疑問が生じた際には、まずは1週間に1度のペースで1ヶ月試してから、担当者や鍼灸院を再検討されることをおすすめします。
週1ペースで1ヶ月の理由
鍼灸は使用する鍼の太さや長さ、本数などで刺激量が変化します。
その方に適した刺激量で施術することが最も大切であるため、刺激量を合わせていくためにも2.3回は様子をみる必要があります。
また、鍼灸は直後効果よりも翌日や翌々日に回復するケースが多いため、施術後の変化も踏まえて考えることが大切です。
症状の改善に鍼灸刺激が効いているのか、たまたま回復時期に鍼灸施術を行なったから改善がみられたのか、その判断するためにも1週間に1度のペースで1ヶ月継続をおすすめします。
回数券はお得?
症状や鍼の感受性には個人差があり、初回だけで鍼灸刺激に対する許容量は測りかねません。
そのため、信頼関係の築けている鍼灸院の回数券はお得ですが、初回から回数券を売る鍼灸院はあまりおすすめ出来ません。
回復後の頻度
同じ症状でも、人によって痛いと感じる方もいれば、全く気にならない方もいます。
症状も放って置くと辛い箇所や症状が不明瞭になってしまいますが、初めのうちは不快感に敏感です。
お腹が空いた時に食事を摂るのと同様で、からだの疲れや変化を感じたタイミング(鍼灸を受けたいなと感じた際)に早めにお越しいただくのが最もベストなタイミングです。
もし判断に迷われた場合には「2週に1回」や「1ヶ月に1回」など通いやすい頻度で、時間的・経済的に無理のない範囲で定期的に通われることをおすすめします。
週1ペースで1ヶ月から
鍼灸の合う合わないは経過をみながら判断していく必要があります。
どのような症状であれ、1ヶ月試すことで鍼灸の効果についての判断材料になるため、まずは週1回で1ヶ月試されることをおすすめします。
1ヶ月通ってみたものの、あまり変化を感じることが出来なかった場合には、他の鍼灸院や療法もご検討ください。
この記事の著者

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「白金のかかりつけ鍼灸師」を目指し、日々鍼灸に励んでおります。
鍼灸は多くの症状改善に効果が期待できる一方で、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先する場合もあります。
当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
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