長母趾伸筋腱炎(長趾伸筋腱炎)への対処と鍼灸治療の考え方
足の甲の痛みとして現れる「長母趾伸筋腱炎」と「長趾伸筋腱炎」
これらは、つま先を持ち上げる動作を繰り返すことで、腱に負担が蓄積して起こります。
安静にすることが大切で、回復過程を整える手段として鍼灸も有用です。
今回は長母趾伸筋腱炎と長趾伸筋腱炎への対処方法と鍼灸の考え方についてご紹介いたします。
長母趾伸筋腱炎・長趾伸筋腱炎とは
脛から足先にかけて走行する伸筋腱に炎症が生じることで、足の甲に痛みが現れる状態です。
長母趾伸筋は親指を、長趾伸筋は第2~5趾を持ち上げる働きを担っており、つま先を持ち上げる動作で繰り返し使われています。
これらの腱に負担が蓄積すると炎症が起こり、親指側に痛みがある場合を長母趾伸筋腱炎、それ以外の足趾へ向かう部分に痛みがある場合を長趾伸筋腱炎と呼びます。
症状
主な症状は足の甲の痛みです。
歩行や階段の昇降、ランニングなど、つま先を持ち上げる際に痛みが強く現れます。
また、炎症が強い場合には腫れや熱感を伴うこともあります。
原因
歩行やランニングなどによる使い過ぎ(オーバーユース)です。
同じ動作を繰り返すことで腱への負担が蓄積し、炎症が起こります。
また、足の甲をぶつけた(外傷)、つま先部分が窮屈な靴による圧迫がきっかけになることもあります。
なお、つま先を持ち上げる動作には前脛骨筋も関与しており、前脛骨筋に問題がある場合は、足の甲ではなく脛の前面に痛みが現れやすいため、痛みの部位を確認することも原因を考えるうえで重要です。
前脛骨筋腱炎については『前脛骨筋腱炎への対処と鍼灸治療の考え方』でも解説しています。
治療方法
保存療法が中心となります。
安静を基本として、炎症が強い時期にはアイシングや消炎鎮痛薬の使用が検討されます。
必要に応じて運動内容や靴の見直しを行うことも有効です。
無理に動かすことは再発の原因となるため、痛みが軽減しても段階的な復帰が大切になります。
また、下肢の筋緊張が抜けない場合には鍼灸が効果的です。
鍼灸の効果
鍼灸には筋肉の緊張を緩和して、血流を整える作用があります。
長母趾伸筋や長趾伸筋の緊張を緩和することは、腱付着部への負担軽減につながります。
また、周囲の血流環境や筋緊張を整えることで、回復を妨げている要因の軽減になります。
痛みをかばうことで生じる膝や腰への二次的負担の緩和にもアプローチ可能です。
施術を検討する目安
整形外科で骨折など重篤な疾患が否定されており、
- 筋肉の緊張が抜けない
- 再発を繰り返している
このような場合に、鍼灸を検討する目安になります。
鍼灸を受ける際の注意点
鍼灸は比較的安全性の高い施術とされていますが、お身体に鍼を用いる以上、内出血やだるさなどの反応がみられることがあります。
副反応については『鍼灸の副反応(内出血やだるさ)について』もあわせてご確認ください。
こうした特徴を踏まえたうえで、症状や体調に応じて施術を検討していくことが大切になります。
当室の考え方
伸筋腱炎は足先の使い方やつま先の窮屈な履き物が関与しているケースが少なくありません。
当室では、患部のみを処置するのではなく負担が集中した背景を確認し、回復過程を整えることを目的に鍼灸を行っております。
この記事の著者

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鍼灸は身体の調整機能に働きかける療法ですが、
すべての症状に適しているわけではありません。
当室では、症状の背景や経過を確認したうえで鍼灸の適応を判断し、
その方にとって無理のない選択をご提案いたします。
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