筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)への対処と鍼灸治療の効果
筋肉の痛みが長く続く、「筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)」
筋・筋膜性疼痛症候群はトリガーポイントと呼ばれる反応点が痛みの一因となることもあり、
鍼灸によるアプローチも有用です。
今回は筋・筋膜性疼痛症候群への対処方法と鍼灸の効果についてご紹介いたします。
筋・筋膜性疼痛症候群とは
筋肉や筋膜を中心に、痛みや関連痛が生じる状態です。
気になる部位の筋肉に触れると、コリ(索状の硬結)が確認でき、そこを押すと痛みが再現されます。
痛む部分は「トリガーポイント」とも呼ばれ、患部から離れた場所に現れることもあります。
トリガーポイントとは
筋肉にある過敏な反応点です。
トリガーポイントが肩の筋肉に現れた際には、肩だけでなく、後頭部や腕なども痛む場合があります。
このように患部から周囲に痛みを波及させること(関連痛)もトリガーポイントの特徴です。
そのため、単なる筋肉の硬さだけではなく、筋肉や神経系の過敏さなど、複数の要因が関係していると考えられています。
症状
筋肉を中心とした痛みです。
痛みは首肩や腰など、全身に現れます。
関連痛が現れることも多いため、周辺や離れた部位の筋肉まで確認することが大切です。
しかし、身体の広い範囲に痛みが生じる「線維筋痛症」とは異なりますので注意が必要です。
線維筋痛症については『線維筋痛症への対処と鍼灸治療の考え方』でも解説しております。
原因
筋肉の血行不良が主な原因の1つです。
筋肉への負荷、疲労やストレスなど複数の要因が重なって発症します。
また、痛みが長期間続くと、筋肉や末梢の神経だけでなく、脊髄や脳を含めた「痛みを処理する神経系」の働きにも変化が生じる可能性があります。
治療方法
運動療法や薬物療法など、さまざまな方法が検討されます。
痛みを引き起こしている要因を見つけ、身体を動かしやすい状態に戻していくことが重要です。
トリガーポイント注射や鍼灸が有効なケースもあります。
鍼灸の効果
鍼灸には筋肉の緊張を緩和して、神経の過敏性を整える作用があります。
痛みのある筋肉やトリガーポイントに直接アプローチすることで、痛みの軽減が期待できます。
鍼を刺入することで、局所的な筋収縮(局所単収縮)や響く感覚を得ることも多く、複数の研究結果でも痛みの軽減が示唆されています。
施術を検討する目安
医療機関で診断を受けたうえで、
- 痛みや張り感が長期間続く
- 痛い場所を押すと、痛みが再現される
- 痛みのために身体を動かしづらくなっている
このような場合には、鍼灸を検討する目安となります。
鍼灸を受ける際の注意点
鍼灸は比較的安全性の高い施術とされていますが、お身体に鍼を用いる以上、内出血やだるさなどの反応がみられることがあります。
副反応については『鍼灸の副反応(内出血やだるさ)について』もあわせてご確認ください。
こうした特徴を踏まえたうえで、症状や体調に応じて施術を検討していくことが大切になります。
当室の考え方
身体の痛みには、骨折や神経障害など、整形外科での診断・治療を優先するものがあります。
そのため当室では、必要に応じて医療機関の受診をお願いしています。
一方で、検査では異常がない、痛みや不快感が続いている、といった方も少なくありません。
私はそのような不調を「仕方がない」と諦めてほしくありません。
鍼灸は万能ではありませんが、検査で捉えきれない身体の不調に対してアプローチすることが可能です。
だからこそ当室では、お身体全体を丁寧にみつめ、検査結果だけではわからない、一人ひとりの「つらさ」に向き合うことを何より大切にしています。
この記事の著者

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鍼灸師/港区白金で開業8年
安心してご相談いただける鍼灸院を目指し、日々施術に取り組んでおります。
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