月経困難症への対処と鍼灸治療の考え方
下腹部の痛みや倦怠感、イライラなどの不調を伴う「月経困難症」
月経困難症は原因によって対処方法が異なり、婦人科での評価が重要になります。
生活習慣の見直しや薬物療法が基本ですが、補助的に鍼灸を取り入れることも有用です。
今回は月経困難症への対処と鍼灸の考え方についてご紹介いたします。
月経困難症とは
月経に随伴して起こる病的症状のうち、日常生活に支障をきたすものを指します。
大きく「機能性(原発性)」と「器質性(続発性)」に分けられます。
機能性(原発性)月経困難症
骨盤内に明らかな器質的疾患はなく、月経に伴って痛みや不調が生じるタイプです。
初経後数年で始まり、妊娠・出産や加齢により軽快することもあります。
器質性(続発性)月経困難症
子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などが原因で起こるタイプです。
痛みが徐々に強くなる傾向や、過多月経・貧血などを伴う場合は婦人科での評価が必要です。
症状
身体症状と精神症状の両方がみられます。
- 身体症状:下腹部膨満感、疲労感、頭痛、腰痛、浮腫など
- 精神症状:易怒性、抑うつ気分など
症状の強さや出現時期には個人差があります。
原因
子宮収縮を促すプロスタグランジン(PG)の産生亢進が主な要因とされています。
PGが過剰に分泌されると子宮平滑筋が強く収縮し、虚血や低酸素状態が生じて痛みにつながります。
また、PGは血管や腸管にも作用するため、頭痛や悪心などの随伴症状にも関与します。
加えて、ストレスや不安などの心理的要因、自律神経の乱れも症状を増幅させる一因になります。
治療方法
原因に応じた医療的対応が基本になります。
器質性の場合は原因疾患の治療が優先されます。
機能性の場合は、鎮痛薬や低用量ピルなどの薬物療法、生活習慣の見直しが行われます。
強い痛みや症状の変化がある場合には、自己判断せず婦人科受診が重要です。
鍼灸の効果
鍼灸には血流や自律神経の調整を整える作用があります。
骨盤内の循環を整えることで、過剰な子宮収縮の緩和や疼痛軽減を図ることがあります。
また、鍼刺激による内因性オピオイド(βエンドルフィンなど)の分泌促進が、疼痛緩和に関与すると考えられています。
ホルモン分泌そのものを直接変化させるというよりも、痛みや緊張状態を緩和する補助的役割になります。
施術を検討する目安
婦人科で器質的疾患が否定されており、
- ストレスや自律神経症状を伴っている
- 月経のたびに日常生活へ強い影響が出ている
- 鎮痛薬の使用頻度が増えている
このような場合に、鍼灸を検討する目安になります。
当室の考え方
月経困難症は、まず婦人科での評価が優先されます。
当室では、全身状態を整えることで、痛みの緩和や自律神経の安定を図り、症状の回復につながるよう鍼灸を行なっています。
この記事の著者

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鍼灸は体の調整機能に働きかける療法ですが、
すべての症状に適しているわけではありません。
当室では、症状の背景や経過を確認したうえで鍼灸の適応を判断し、
その方にとって無理のない選択をご提案いたします。
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