骨折や打撲、捻挫への対処と鍼灸治療の効果

コンタクトスポーツや交通事故など様々な原因で生じる打撲や捻挫。
患部では炎症や腫脹が生じることで痛みや腫れを引き起こします。

鍼灸治療では痛めてしまった軟部組織の鎮痛や消炎、腫脹の軽減を目的として施術をおこないます。

今回はそんな身近な打撲や捻挫について綴らせていただきました。

骨折や打撲、捻挫の違いとは

細かい違いは曖昧という方も多いのではないでしょうか?
骨折、脱臼、打撲、捻挫の違いや定義をはじめにお伝えいたします。

骨折

骨が連続性を失った状態をいいます。
骨折はコンタクトスポーツや交通事故といった外力が加わることで生じる他、

  • 骨粗鬆症などの病気によって骨が弱くなり、軽いきっかけで骨折してしまうケース
  • 同じ部位へ幾度となく外力が加わることで発生する疲労骨折

など原因はさまざまです。

骨折と聞くと骨が2つにポキッと折れた状態を想像してしまいますが、ヒビの入った状態も骨折になります。

骨を纏う骨膜には痛みを感知する受容器(センサー)が多く存在するため、捻挫や脱臼に比べ痛みが強いのが特徴です。
また、折れた骨が周囲の血管や神経を傷つけてしまう恐れもあり、アザや痺れが生じる場合や出血があまりにも多い時には意識障害となってしまうケースもあるため出血時には特に注意が必要です。

脱臼

関節が外れた状態をいいます。
骨と骨の関節面が完全に外れているのが完全脱臼、少し外れた(外れかけ)状態を亜脱臼といいます。

脱臼は外傷によって生じるケースが多く、関節が「カクッ」と外れる音や感覚に痛みと腫れを伴うことで関節の動きが制限されてしまいます。
ラグビーをはじめとしたコンタクトスポーツにより肩関節を脱臼する割合が高い傾向がありますが、肘や顎をはじめ身体の関節であればどこでも生じる可能性があります。
骨折か脱臼かを自己判断することは難しく、脱臼は癖にもなりやすいため疑わしき時には医療機関の受診をご検討ください。

近年では高齢化に伴う変形性関節症から人工関節置換術を受ける方も増加傾向のため、術後に日常動作でしてはいけない姿勢を避けることがも大切な心掛けになります。

打撲

転倒をはじめとした身体の一部に生じた損傷を場合をさし、「打ち身」と呼称されることもあります。

皮膚や筋肉や血管が損傷を受けるため、痛み、腫れ、出血(内出血)がおこり、打撲した場所によっては関節が動かしづらくなります。
内出血は青紫色から徐々に黄緑色へと変化して目立たなくなっていきます。
打撲は身体中どこでも起こる可能性がありますが、特に頭や眼は重症な症状になる可能性もあるため注意が必要です。

頭の打撲

頭痛をはじめとした意識障害や眩暈の他に頭蓋内出血は致命的な事態に繋がってしまう恐れもあり注意が必要です。
症状が強い場合や長引きしている場合には直ぐに病院を受診してください。

眼の打撲

眼の痛みや出血、視力低下などは眼球自体に損傷を受けている可能性も考えられます。
眼は細い血管が密なため、眼の周囲をぶつけられた際には眼科医の受診をお勧めいたします。

捻挫

関節を支えている靱帯や関節を包んでいる「関節包」の損傷が起きている状態をいいます。

足首の捻挫はどなたもご経験があるのでは無いでしょうか?
靭帯が少しだけ切れた部分断裂から完全断裂まですべて捻挫と呼ばれ、足首の関節で起こりやすい傾向がありますが、全身のあらゆる関節で起こり得ます。
特に膝関節の捻挫は痛みを自覚しづらいため注意が必要です。
また、湿布を貼って放っておけば大丈夫と侮ってはいけません。
靭帯が完全に修復するまでの間は、きちんと固定して靭帯を修復させる必要があります。
これを怠ってしまうと関節のグラつきや不安定感に繋がってしまいます。

怪我をしてしまった直後の対応

怪我をしてしまった直後の大原則がRICE(ライス)になります。

Rest(安静)

安静にすることが最重要です。
患部が安定しない場合にはタオルや添え木などで固定することも効果的です。

Icing(冷却)

患部を氷などで冷やし、腫れや内出血を抑えます。
患部の間隔が乏しくなったら少し冷やすのを中断するといった行為を何度か繰り返しおこないます。

Compression(圧迫)

テーピングなどで圧迫しすることで腫れや内出血を抑えます。
圧迫のし過ぎは血流障害や神経障害に繋がってしまうので痺れや変色が生じたら場合には少し緩めてください。

Elevation(挙上)

患部を心臓より高い位置に保ことで腫れを防ぎます。

骨折や打撲、捻挫への鍼灸の効果

炎症がある程度落ち着いてきた後(骨折の場合には骨癒合完了後)に鍼灸の出番となります。
鍼灸治療は痛めてしまった軟部組織の鎮痛や消炎、腫脹の軽減を目的として施術をおこないます。
そのため、痛みの緩和や早期回復に期待を持つことができます。
また、骨折に伴い三角巾を使用した結果、腕を吊っていた方の肩凝りが酷くて辛いなどのお困りごとにも適しております。
患部のみならず全身を整えることは早期回復にも繋がるためお勧めです。

打撲や捻挫が疑われる時には

まずはRICE処置をおこない、専門医を受診してください。

脱臼と骨折の違いを個人で判断することは難しく、実は折れていたといったケースも少なくありません。
そして、急性の炎症期を過ぎましたら早期回復の一助となりますため鍼灸治療のご検討をお勧めいたします。

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。

鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。

当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。

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