痛風への対処と鍼灸治療の効果

食生活やストレスにより尿酸値が上昇することで激しい関節痛を生じる「痛風」。

痛風の改善には食生活や生活習慣の見直しに加えて、鍼灸治療をおこなうことで自律神経や血流が整い、尿酸の産生抑制や排出改善に繋がる効果が期待できるためおすすめです。

今回はそんな痛風について綴らせていただきました。

そもそも痛風とは

風のように「急に痛み・急に去る」ことから痛風と呼ばれ、お肉やアルコールなどプリン体の過剰摂取が原因でも起こることから贅沢病とも呼ばれてきました。

痛風は体内の尿酸値が過剰(7.0mg/dl超え)になり、関節内で結晶化することで白血球(免疫細胞)が結晶を排除する過程で炎症を引き起こして痛みや腫れを生じる疾患です。

生活習慣や食生活の改善により寛解する一方で、放置してしまうと関節炎の繰り返しによる結節や腎臓の機能低下にも繋がってしまうため、適切な治療の継続が大切になります。

また痛風は高血圧や糖尿病などの合併も多いため、注意を払いながら治療を継続する事も重要です。

痛風の原因

痛風は尿酸値が上昇することで関節内で結晶化して、その結晶(異物)に白血球が反応することで炎症が起こります。

尿酸は「プリン体」という物質を分解した際の燃えカスで、プリン体は身体を動かすための大切なエネルギー源になる物質のため、体内で産生されたり食事により蓄えられています。

これらのプリン体が肝臓で分解されることで、尿酸となり尿や便として体外に排出されます。

通常であれば産生される尿酸量と排出量が共に700mgと一定量に保たれていますが、尿酸の過剰生成や排出低下により体内の尿酸値が上昇してしまうと、過剰分の尿酸は関節に溜まり結晶化してしまいます。

尿酸の過剰生成にプリン体の過剰摂取が挙げられ、排出量減少にはストレスなどが関わってくるため、双方の改善が大切になります。

ストレスによる尿酸値の上昇

過度なストレスは

  • 自律神経が乱れてエネルギー消費が増えて尿酸の過剰生成につながる
  • 血管収縮やホルモンバランスが乱れることで腎臓からの排出量に影響が現れる
  • ストレスを解消するために暴飲暴食をしてしまう

といった悪循環を生じやすいため、適度なストレス解消もとても大切になります。

痛風の症状

最も代表的な症状は「足の親指(付け根)の激しい痛み」です。

足の親指の他にも、足の甲、膝や肘の関節、耳たぶ、さまざまな部位に痛みや腫れが生じます。

尿酸の結晶化は尿酸値の上昇の他に「温度低下で析出しやすくなる傾向がある」ため、体幹との温度差が激しい場所に好発する特徴があります。

また、痛みは「痛風発作」と呼ばれ突然痛み、しばらくすると急に治る傾向があり、痛風発作状態を繰り返すことで関節結節や腎機能の障害へと繋がってしまう危険があります。

治療と予防

内科(内分泌内科や腎臓内科)を受診して、症状や尿酸値や関節内の結晶の有無を調べ、体内の尿酸過剰を正常範囲にコントロールすることで痛風発作の起りづらい状態を目指します。

関節痛(炎症)が強い場合には、消炎鎮痛薬で炎症を抑え、落ち着いてきた頃に尿酸値を下げる治療へと移っていきます。

治療法は主に薬物療法と適度な運動(生活習慣の改善)がメインになります。

薬物療法

内服薬で血中尿酸値をコントロールしていく方法です。

尿酸の生成を抑える・尿酸の排泄を促すといった薬を症状に合わせて服用します。

食生活の見直し

プリン体を多く含む食品(お肉やアルコールなど)を控える、水分をしっかり取る、といった食生活に切り替えて尿酸が体内で過剰にならないようにすることが重要になります。

適度な運動

ウォーキングなどの適度な運動はとても効果的です。

しかし、過度な運動はかえって尿酸値を上昇させてしまうため注意が必要です。

上記に併せた鍼灸もおすすめです

鍼灸は自律神経やホルモンバランス、血流の乱れを正常に整えることを得意としています。

痛風の原因になるストレスの緩和やお身体の状態(内臓機能)を整えることで、エネルギー効率の向上や排泄機能低下の抑制に繋がります。

また、手足末端の冷えを解消することで、尿酸結晶化時の特徴でもある「温度が下がるほど(体幹との温度差があるほど)析出しやすくなる」といったことを防ぐ効果も期待できます。

足の親指に激痛を感じたら

まずは内科の受診をご検討ください。

親指の痛みは「尿酸過剰による痛風」の他に、「ピロリン酸カルシウムの結晶化により偽痛風」もあるため、痛む箇所や症状の他に尿酸値の検査等をおこなうことで原因を特定して対処することが大切になります。

診察の結果、痛風と判明した際には投薬治療や生活習慣の改善に併せた鍼灸治療がお身体に負担もなく効果を期待できるためおすすめです。

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。

鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。

当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。

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