ストレッチの目的と効果について

セルフケアの代表格「ストレッチ」

ストレッチはからだの柔軟性を高めて、疲労回復や怪我を予防する効果が期待できます。

長時間同じ姿勢をすることで猫背や巻き肩になる方は、隙間時間のストレッチがおすすめです。

今回はそんなストレッチについて綴らせていただきました。

ストレッチとは

疲労回復や怪我の予防を目的に筋肉を伸ばす運動のことを言います。

筋肉の伸ばし方には、可動域を少しずつ広げる「静的ストレッチ」、からだを動かしながら筋肉を伸ばしていく「動的ストレッチ」の2種類があります。

静的ストレッチ(スタティックストレッチ)

一般的にストレッチと聞いた際にイメージされる方法です。

筋肉を伸ばした状態で数秒から数分維持することで少しずつ可動域を広がります。

一人で気軽に行えてリラックス効果もあるため、運動後や就寝前におすすめのストレッチです。

しかし過度な静的ストレッチは、筋肉の最大出力低下によるパフォーマンスの悪化を招く恐れがあるので、運動前には注意が必要です。

動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)

準備運動やラジオ体操など、身体を動かしながら行う方法です。

筋肉には「相反抑制」という「動かしたい筋肉(主動筋)が収縮する時に、反対側の筋肉(拮抗筋)は弛緩される」性質があります。

手動筋と拮抗筋の双方が硬くなっては関節運動が出来ないので、相反抑制より拮抗筋が緩むことでスムーズな運動を可能にしてます。

力こぶを作る動作を例にすると、上腕二頭筋(力こぶ側の筋肉)が主動筋、反対側の上腕三頭筋(二の腕側の筋肉)が拮抗筋の関係となります。

動的ストレッチには主動筋と拮抗筋の双方に刺激を加えることで動きを改善する働きがありますので、運動前におすすめのストレッチです。

ストレッチの効果

血行促進と筋肉の柔軟性向上が期待できます。

血行促進

同じ姿勢や動作は、筋肉の偏った凝りの原因になります。

凝りは血流が悪化して筋繊維が硬くなった状態のため、放置をすると周囲の血流も悪化させます。

また、筋肉には古い血液(静脈)を心臓に戻す働きもあるので、筋肉が凝り固まって血液を戻す働きが低下すると、浮腫みや全身の血流悪化にもつながります。

そのため、全身の筋肉をバランス良く使うことは血行促進にとても大切です。

『血流と凝りに関する詳細はこちら

柔軟性の向上

適切なストレッチは筋肉や腱の柔軟性を高めて関節可動域を広げます。

筋繊維の柔軟性を高めるだけでなく、関節運動により関節周囲の血管(組織)の機能が円滑になることで、関節の可動域が更に広がります。

ストレッチの頻度

一度に長時間行うよりも、定期的(高頻度)に継続して行う方が効果的です。

筋肉は激しい運動の他に、同じ姿勢を続けていても凝ってしまいます。

姿勢の維持は「買い物袋をずっと持っている状態(等尺性収縮)」と同じ筋肉の使い方をしているので、筋肉内に疲労物質が溜まって凝りが生じます。

筋肉内に疲労物質が溜まると、急いで血液を供給しようと血管を収縮させて、更に血液がが滞るといった悪循環になります。

悪循環に陥らないためにも、さまざま時間帯に分割してストレッチされることをおすすめします。

凝りやすい方はストレッチの習慣化を

ストレッチには血行促進や柔軟性向上の効果があり、疲労回復やストレス解消に効果的です。

「強度な運動」や「長時間の同じ姿勢」は使用する筋肉が偏り、血行不良により凝りを悪化させます。

そのため生活習慣(からだの状態)に合わせて、動的ストレッチと静的ストレッチを使い分けながら習慣化することで、凝りや怪我の予防をされることをおすすめします。

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
「白金のかかりつけ鍼灸院」を目指し、日々鍼灸施術に励んでおります。

鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。

当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。

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