全身倦怠感への対処と鍼灸治療の効果
なんとなく身体が重怠い、疲れが抜けないなどの誰もが感じる疲労感や倦怠感ですが、現在のようなストレスフルな社会や気候変動は疲労感を感じ易い環境かも知れません。
元々、疲労感や倦怠感という感覚は発熱や痛み同じで身体のホメオスタシス(恒常性)に対する注意喚起だと言われております。
過労や運動の後に感じる疲労や倦怠感は十分な休養で回復が期待できます。
しかし、何かの病気が原因で起こる場合はその原因となる病気を治療しないと改善しないこともあるため注意が必要です。
通常であれば栄養や休息を取ることで回復していく疲労感ですが、疲労感が長く続く場合や日常生活に支障が出ているといった場合には何らかの病気が背景にあるかもしれません。
今回はそんな身近な疲労感についてを綴らせて頂きました。
疲労感(原因)とは
倦怠感とは、気力や活力が減少し健康感を喪失した感覚を言います。
良く耳にする「慢性疲労」は、長期間に渡り倦怠感が続き、病院などで検査を行っても異常を認めない症状を言います。
症状は身体が怠い、力が入らないなどと表現されることが多く、主な原因として、
- 食事や栄養のアンバランス(エネルギー源の減少)
- 老廃物の蓄積(乳酸や蛋白分解産物などの蓄積)
- 内分泌機能やホルモンの乱れ
などが考えられております。
また、
- 感染症
- 騒音や振動
- ストレス
などが原因で倦怠感を生じることもあり、種々のメカニズムについては未だ不明な点が多く様々な原因が複合的に関わっていると考えられております。
1度病院の受診をお勧めする症状
疲労や全身の倦怠感に関しては、
- 貧血
- 糖尿病
- 肝炎
- 悪性腫瘍
などの疾患があることでも生じます。
(上記以外でも倦怠感を生じる疾患は多数あります。)
そのため、「原因に思い当たる節が無く、最近は健康診断も受けていない。」という方で長期間疲労感を感じている場合には1度病院の受診をお勧め致します。
上記の他にも、全身倦怠感に加えて、
- 微熱
- 喉の痛み
- 筋肉痛
など風邪のような症状が長期間(半年以上)に渡り生じるものに「慢性疲労症候群」とよばれているものがあります。
慢性疲労と慢性疲労症候群の違い
運動後や風邪など様々なタイミングで感じる疲労感ですが、半年間以上疲れが続いたり、6ヶ月以上に渡り疲れの回復→悪化を繰り返している場合に「慢性疲労」と呼び、病院などで検査を行っても異常を認めない症状を言います。
日本人の4割以上の方が抱えていると言われております。
一方、6か月以上の強い倦怠感、強い疲労感が続き、物事を判断する能力が低下する場合や睡眠障害などの症状を伴う場合には「慢性疲労症候群」という病気があります。
これは「慢性疲労」とはまったく別の疾患で種々の診断基準が提唱されております。
最近では脳神経系の炎症が関連しているとの報告もありますが、その原因は未だ不明で、ウイルス感染や神経内分泌系などが複合的に関与しているのではないか考えられております。
疲労回復方法
疲労回復に効果がある方法として、
- アロマセラピー
- コーヒーを飲む
- 入浴
- マッサージ
などが挙げられます。
上記の他にも様々な疲労回復方法があるかと思います。
そのため、ご自身の疲労感を出していると考えられる原因が運動なのかストレスなのか原因に合わせた回復方法がお勧めです。
精神的にお疲れであればコーヒーやアロマをまず試されることをお勧めします。
運動や肉体疲労でしたら入浴や食事の改善をお勧め致します。
どちらも考えられるなぁ・・・と言った方には鍼灸やマッサージをお勧め致します。
鍼灸やマッサージが効果的な理由
疲労感の主な原因として、
- 老廃物の蓄積(乳酸や蛋白分解産物などの蓄積)
- 内分泌機能やホルモンの乱れ
をお伝えさせて頂きました。
鍼灸やマッサージを行うことで、筋肉(凝り)内に滞った老廃物を排出し易くする効果や血行やホルモンバランスを整える作用があるため、疲労感の回復方法に相性がとても良いです。
肉体的にも精神的にもお身体を整える事で、健康的なお身体を保つお手伝いが出来ます。
最後に
過労やストレスによる疲労感を感じていらっしゃる場合には鍼灸やマッサージをお勧め致します。
しかし、感染症や隠れた疾患などが原因で起こる場合がございます。
- 様々な疲労回復方法を試したが変化が無かった
- 最近は健康診断など受けていなかった
- 6ヶ月以上強い倦怠感が続いている
このような場合には1度病院での診察をお勧め致します。
この記事の著者

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『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し日々鍼灸臨床に励んでおります。
鍼灸治療は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。
当治療室では、鍼灸適応の判別やご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
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