肋間神経痛への対処と鍼灸治療の効果

胸や背中に痛みを感じる「肋間神経痛」

肋間神経痛は背骨から肋骨にかけて走行する神経が障害されることで起こります。

筋肉が凝り固まることで神経を圧迫している場合には鍼灸で圧迫箇所を緩めることが効果的です。

今回はそんな肋間神経痛について綴らせていただきました。

肋間神経痛とは

肋間神経が刺激されることで生じる痛みです。

肋間神経は、背骨（脊髄）から分岐して肋骨の間を通り、胸部や腹部の皮膚や筋肉に分布しています。

そのどこかで神経が圧迫など障害を受けると、神経の分布しているエリアに痛みや違和感が現れます。

症状

痛みや痺れが主な症状で感覚異常が現れる場合もあります。

比較的鋭い痛みが脇腹や背中など肋間神経の走行範囲にはっきりと現れます。

心臓や肺などの内臓疾患の場合には広範囲に痛みが現れるため、痛む場所や痛み方は異なります。

上半身の右側または左側のみに起こり、左右両側で起こることは稀です。

原因

肋間神経の障害が原因です。

肋間神経痛は病気に起因して起こる「症候性肋間神経痛」と原因不明な「特発性肋間神経痛」に分けられます。

症候性肋間神経痛

ヘルニアや帯状疱疹、骨折などの病気が原因で起こります。

胸椎椎間板ヘルニア

椎間板は背骨（椎骨）間のクッションの役割を担っています。

椎間板が加齢や外傷で変形して周囲に飛び出し、神経を圧迫すると痛みや痺れが現れます。

上半身を前後左右に動かした際に痛みを感じる傾向があります。

帯状疱疹

帯状疱疹ウイルスが神経を通って皮膚に赤い小さな出来物や水膨れ（皮疹）起こす病気です。

免疫力の低下している時に発症し易いため、疲労やストレスを溜めすぎないことが大切になります。

骨折

胸部の骨折や脱臼により神経を圧迫（損傷）することで痛みが現れます。

骨折やヒビの場合には、呼吸に伴う痛みが現れます。

特発性肋間神経痛

怪我や病気といった原因が見当たらない肋間神経痛です。

ストレスによる自律神経の乱れ、長時間の同一姿勢が原因で起こる場合も多くあります。

治療方法

原因に合わせた薬物療法が中心です。

痛みが強い場合には神経ブロック、帯状疱疹が原因の場合や抗ウイルス剤を使用していきます。

原因がわからない場合や筋肉が硬くなって神経を圧迫しているような場合には運動療法が行われます。

整形外科を受診しても検査結果に異常がない、なかなか改善しない場合には鍼灸がおすすめです。

鍼灸の効果

鍼灸は筋肉の緊張を和らげて過剰に反応している神経を鎮静化することで神経痛を改善します。

帯状疱疹が原因で頻発する際にも、鍼灸で自律神経やホルモンバランスが整い免疫力が向上することで予防効果を期待できます。

そのため「原因が不明な方」や「治っても直ぐに再発してしまう方」に鍼灸はおすすめです。

胸の痛みを感じたら

肋間神経痛はヘルニアや骨折、帯状疱疹などの原因で起こります。

帯状疱疹が原因の場合には早い段階での抗ウイルス薬投与が大切になるため、まずは整形外科の受診をご検討ください。

検査の結果、原因が不明だった場合や頻発してしまう場合には鍼灸がおすすめです。