足底腱膜炎(足底筋膜炎)への対処と鍼灸治療の考え方
歩行時に足裏が痛む「足底腱膜炎(足底筋膜炎)」
足底腱膜炎は長時間の立ち仕事やジョギングなど、足裏への持続的な負荷によって起こります。
保存療法が中心になりますが、回復過程を整える手段として鍼灸も有用です。
今回は足底腱膜炎への対処方法と鍼灸の考え方についてご紹介いたします。
足底腱膜炎とは
足裏に広がる足底腱膜に炎症や微細損傷が生じた状態です。
足底腱膜は踵(かかと)から足指の付け根まで扇状に広がり、土踏まずを支えながら歩行時の衝撃を吸収する役割を担っています。
この構造に繰り返し牽引力が加わることで、腱付着部を中心に炎症が生じます。
立ち仕事の多い方やランナー、扁平足傾向のある方に多くみられます。
安静にすることで改善しますが、負荷をかけ続けると慢性化することがあります。
症状
代表的な症状は歩き出し時の踵部痛です。
特に朝の第一歩で強く痛むのが特徴とされ、運動後や翌日に痛みが増すケースもあります。
痛みの部位は、踵の周囲、土踏まず中央部、足指の付け根付近など個人差があります。
原因
主な原因は足底腱膜への過剰な牽引ストレスです。
長時間の立位や運動量の増加、くらはぎの柔軟性低下、扁平足なども悪化の要因になります。
特に、ふくらはぎ(下腿三頭筋)の緊張は足底腱膜への牽引力を増加させます。
治療方法
保存療法が基本になります。
炎症期には運動量を調整し、負荷を軽減することが優先です。
必要に応じて消炎鎮痛薬、湿布、インソールの使用が検討されます。
レントゲンで踵骨棘が確認されることもありますが、骨棘の有無だけで痛みが決まるわけではありません。
強い痛みが続く場合や改善がみられない場合には、整形外科での診断を受けることが重要です。
急性炎症期を過ぎた後は、段階的なストレッチや筋機能改善が再発予防に繋がります。
鍼灸の効果
鍼灸には、筋緊張を緩和して、血流を整える作用があります。
ふくらはぎや足部周囲の筋緊張を整えることで、足底への牽引ストレス軽減につながります。
また、慢性化している場合には知覚過敏状態が関与することもあり、神経系の興奮緩和を図ることも施術目的の一つです。
痛みをかばうことで生じる膝や腰への二次的負担の緩和にもアプローチ可能です。
施術を検討する目安
整形外科で骨折など重篤な疾患が否定されており、
- ふくらはぎの強い緊張が続いている
- 再発を繰り返している
このような場合には、鍼灸を検討する目安になります。
当室の考え方
足底腱膜炎は、下腿や股関節、体重支持のバランスが関与していることが少なくありません。
当室では、局所のみを刺激するのではなく、負担が集中した背景を確認し、回復過程を整えることを目的に鍼灸を行なっています。
この記事の著者

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鍼灸は体の調整機能に働きかける療法ですが、
すべての症状に適しているわけではありません。
当室では、症状の背景や経過を確認したうえで鍼灸の適応を判断し、
その方にとって無理のない選択をご提案いたします。
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