心臓神経症への対処と鍼灸治療の効果
心臓に病気はないが、動悸や胸痛を感じる「心臓神経症」
心臓神経症は過労やストレスが原因で起こるため、生活習慣の見直しや鍼灸で自律神経を整え、ストレスを緩和することで改善が期待できます。
今回はそんな心臓神経症について綴らせていただきました。
心臓神経症とは
心臓自体に病気がないが、心臓の拍動が気になり不安になることで更に心臓の拍動が早まるといった悪循環の状態です。
健康診断でちょっとした不整脈(再検査の必要無し)の指摘がきっかけで発症するケースもあり、年齢や性差はなく神経質な方に起こり易い傾向がみられます。
心臓に原因がないという除外診断が大切なため、まずは循環器内科の受診をご検討ください。
症状
胸痛が主な症状です。
左胸部がチクチクと痛む、心臓が重苦しいなどと表現される方も多く、痛みは活動時よりも安静時に現れ、長時間持続してしまう傾向があります。
胸痛の他には、動悸や息切れ、頭痛や眩暈、手足の痺れなどの症状が挙げられます。
胸痛や息苦しさから不安感が増すことで更に症状が悪化してしまうため、不安を感じた際には無理をせず、不安感を拭えるよう気持ちの切り替えを優先することが大切になります。
原因
緊張や不安などの過労や精神的ストレスが原因になります。
心拍数の上昇時に「狭心症」や「心筋梗塞」といった心臓病に対する不安感や突然死への恐怖心から悪循環になってしまうケース多いとされます。
なぜストレスで胸痛が起こるのか?
ストレスを受けると身体の中では、
- ストレスに対応するため臨戦体制を取ろうとして交感神経を刺激します。
- 交感神経が優位になることで心拍数、血圧、呼吸数などが上昇することで身体を瞬時に活動出来る状態にします。
- 運動時(活動時)であれば正常な働きですが、安静時に交感神経が優位(身体が活動状態)になってしまう事で、息苦しさや心拍数の上昇を強く感じてしまいます。
- 安静時にも交感神経が優位になることで、身体は休む状態になれず、不安や恐怖感が増すことで更に身体を興奮(交感神経優位)状態にしてしまうといった悪循環になってしまいます。
心臓神経症の治療
最も大切な事は心臓に原因がないという除外診断になります。
胸痛や息苦しさは、狭心症や不整脈、僧帽弁逸脱症候群などの他疾患が原因で起こる場合もあります。
心電図やエコー、血液検査をおこない心臓自体に異常が見受けられない場合に初めて「心臓神経症」と診断されます。
心臓神経症への対処
ストレス原因の特定や排除、自律神経を整えることが中心になります。
抗不安薬の服用
心臓病に対する不安感が強い場合に処方される、不安感を和らげる薬です。
自律訓練法
リラックスした姿勢や環境や言葉を用いて自己暗示をおこない、心や身体を安定をさせる方法です。
生活習慣の改善
適度な運動、十分な睡眠、バランスの良い食事は自律神経を整える際にとても効果的です。
鍼灸治療
鍼灸には自律神経を整える作用やストレスの緩和に効果を期待できます。
鍼灸の効果
鍼灸には自律神経を整え、気持ちをリラックスする効果があります。
心臓神経症の方は交感神経優位(興奮状態)になっており、リラックス状態である副交感神経優位に上手く切り替えられない状態になっています。
鍼灸刺激は高まった交感神経を鎮め、副交感神経に切り替えられるよう身体に作用します。
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また、鍼灸刺激は皮膚から視床下部(脳)に影響を与えてβエンドルフィンという神経ペプチド(脳内麻薬物質)の分泌を活性化させることで、筋緊張の解消やリラクゼーション効果を引き起こします。
そのため、過労やストレスによる自律神経の乱れを整えることに大変適しています。
胸痛を感じた際には
胸痛は不整脈や狭心症でも起こるため、まずは循環器内科の受診をご検討ください。
検査をしても心臓に悪いところが見当たらない場合には、「心臓神経症」の可能性が考えられます。
心臓神経症には心身のリフレッシュや自律神経の乱れを整えることが大切になります。
生活習慣の見直しに加えて、鍼灸治療をおこなうことで自律神経を整える作用やリラックス効果があるため是非一度お試しください。
この記事の著者
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『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。
鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。
当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
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