顔面神経麻痺への対処と鍼灸治療の考え方
顔の一部が思うように動かなくなる「顔面神経麻痺」
突然発症することが多く、早期に医療機関で治療を開始することが最も重要です。
基本は耳鼻咽喉科での薬物療法となり、鍼灸も回復過程を支える補助的手段として有用です。
今回は顔面神経麻痺への対処方法と鍼灸の考え方についてご紹介いたします。
顔面神経麻痺とは
顔面神経が障害されることで表情筋に麻痺が生じる状態です。
障害部位により「中枢性」と「末梢性」に分けられ、多くは末梢性顔面神経麻痺です。
顔面神経は脳から耳の周囲を通り、顔の筋肉へ分布しています。
その経路で炎症や圧迫が起こると、神経伝達がうまくいかなくなり、顔の動きが制限されます。
顔面痙攣のように「勝手に動く」病気とは異なり、「動かせない」ことが特徴です。
『顔面痙攣についてはこちらの記事で詳しく解説しています』
症状
目が閉じにくい、額にしわを寄せられない、口元から水がこぼれるなどが代表的な症状です。
麻痺の程度により、左右差が目立つ、食事がしづらい、発音が不明瞭になるなど日常生活に支障が出ることもあります。
また、味覚の変化や涙・唾液分泌の異常を伴う場合もあります。
原因
最も多いのはヘルペスウイルスの関与が考えられるベル麻痺です。
免疫力低下などを契機に神経に炎症が生じ、神経管内で浮腫や血流障害が起こることで発症すると考えられています。
その他、帯状疱疹によるハント症候群、外傷、腫瘍、中耳炎など原因は多岐にわたります。
原因の鑑別と早期治療が予後に大きく関わるため、発症時は速やかに耳鼻咽喉科を受診することが重要です。
治療方法
ステロイド療法を中心とした薬物療法が基本です。
必要に応じて抗ウイルス薬が併用されます。
重症例では回復に時間を要することがあり、後遺症として異常共同運動(目と口が同時に動くなど)が残る場合もあります。
そのため、医療機関での治療と並行して、回復期のリハビリテーションが重要になります。
鍼灸の効果
鍼灸には回復期における血流改善や筋緊張を整える作用があります。
神経周囲の循環を整えることや、動かしづらい筋肉の過緊張を緩和することが期待されます。
施術を検討する目安
耳鼻咽喉科で診断と治療を受けているおり、表情筋のこわばりや左右差が気になる場合に、鍼灸を検討する目安になります。
当室の考え方
顔面神経麻痺は「早期の医療介入が最も重要な疾患」です。
当室では、身体環境を整えてスムーズな回復につながることを目的に鍼灸を行なっています。
この記事の著者

-
鍼灸は体の調整機能に働きかける療法ですが、
すべての症状に適しているわけではありません。
当室では、症状の背景や経過を確認したうえで鍼灸の適応を判断し、
その方にとって無理のない選択をご提案いたします。
この著者の最新記事一覧
鍼灸適応疾患以外に関する記事2026年3月9日病院と鍼灸は併用できるのか
鍼灸適応疾患以外に関する記事2026年3月8日どのような人が鍼灸を受けるのか
婦人科系2026年3月1日月経前症候群(PMS)への対処と鍼灸治療の考え方
運動器系2026年2月10日捻挫への対処と鍼灸治療の考え方
当室で施術対象の症状・疾患に関する記事
アクセス
東京都港区白金3-9-16 マロン白金3A
東京メトロ
白金高輪駅(4番出口)より 徒歩6分
白金台駅(2番出口)より 徒歩9分
都営バス
渋谷-新橋(赤羽橋)「四の橋」より徒歩3分
渋谷-田町「三光坂下」より徒歩3分



