顔面神経麻痺への対処と鍼灸治療の効果

顔の一部が思うように動かせなくなる「顔面神経麻痺」

顔面神経麻痺はさまざまな原因で起こり、早期に治療開始するほど治療後の経過が良くなります。

また、通常の治療に鍼灸を併用することでスムーズな回復や後遺症の予防に効果的です。

今回はそんな顔面神経麻痺について綴らせていただきました。

顔面神経麻痺とは

顔の筋肉を動かす神経(顔面神経)が障害された状態をいいます。

顔面神経は脳→側頭部→耳の下と通過して顔の筋肉に分布しており、感染症や外傷などによって顔面神経が障害されると、顔の筋肉がスムーズに動かせなくなります。

目を閉じる、口角を上げるなど、顔の動きが円滑に行えなくなると日常生活にも支障が現れます。

顔の筋肉が動かせなくなる病気のため、眼の周囲がピクピク動いてしまう「顔面痙攣」とは異なります。

『片側顔面痙攣に関する詳細はこちら

症状

眼が閉じられない、額のシワ寄せ運動が出来ない、水や食事が口から漏れる
この3つが代表的な症状です。

水や食事が口から漏れるとは「歯医者で麻酔治療後に上手くうがいできない状態」です。

顔の筋肉(表情筋)は20種類以上の筋肉が働いているため、麻痺の程度と障害される神経により症状や程度は異なります。

また、顔面神経は「味覚を伝える神経(古索神経)」や「唾液・涙の分泌をする神経(大錐体神経)」にも枝分かれしているため、味覚障害や唾液・涙の分泌量低下といった症状が現れるケースもあります。

原因

ヘルペスウイルスの感染による「ベル麻痺」が最も代表的です。

単純ヘルペスウイルスが免疫力低下時に活発になることで顔面神経に炎症が生じます。

顔面神経は側頭部の狭い隙間(顔面神経管)を走行しているため、神経に炎症が起こると浮腫みや虚血状態を招き易く、神経障害(軸索損傷)につながります。

顔面神経麻痺の約7割は「ベル麻痺」によるもので、その他の原因としては、帯状疱疹ウイルスの活性化による「ハント症候群」、外傷や腫瘍、細菌感染による「中耳炎」と続きます。

顔面神経麻痺は原因の特定と早期治療が重要なため、早急に耳鼻咽喉科を受診してください。

治療

ステロイド、抗ウイルス薬、抗生物質といった薬物療法が中心です。

重症の場合や腫瘍の場合には神経再接続術や腫瘍除去といった外科的治療も検討されます。

また、薬物療法に併用して表情筋リハビリテーションや鍼灸治療をおこなうケースも増加しています。

軽症で早期治療を開始した場合には2週間〜1ヶ月程で約8割の方が回復される一方、重症の場合には時間を要してしまうだけでなく表情筋の動きが不十分であったり、眼と口が一緒に動いてしまう(異常共同運動)後遺症が残るケースもあります。

そのため、麻痺が生じた際には耳鼻咽喉科の早急な受診と薬物療法に併用したリハビリテーションや鍼灸が大切になります。

鍼灸の効果

鍼灸は顔面神経周辺の血流改善や、表情筋の緊張緩和が期待できます。

顔面神経周囲の血流を改善することは、損傷した神経のスムーズな回復につながります。

また、表情筋が硬い状態(動かさない状態)の継続は、表情筋が筋萎縮して神経の回復後も動きが完全には戻らないといった状態にもなりかねません。

そのため、薬物療法に併せて早期から鍼灸にも取り組まれることをオススメします。

顔の麻痺を感じたら

顔面神経麻痺は早期の診断と治療が重要で、治療開始が早いほど予後が良くなります。

眼が閉じ辛い、水が口から漏れてしまう際には早急に耳鼻咽喉科を受診してください

また薬物療法に鍼灸を併用することで「麻痺のスムーズな回復」が期待できるためオススメです。

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
「白金のかかりつけ鍼灸師」を目指し、日々鍼灸に励んでおります。

鍼灸は多くの症状改善に効果が期待できる一方で、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先する場合もあります。

当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。

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