痔疾(じしつ)への対処と鍼灸治療の考え方
肛門の痛みや出血を伴う「痔疾(じしつ)」
日常生活に支障をきたす症状ですが、多くは生活習慣の見直しと保存療法で改善が期待できます。
再発を繰り返す場合には、鍼灸も予防の一助になります。
今回は痔疾への対処方法と鍼灸の考え方についてご紹介いたします。
痔疾とは
肛門周囲に生じる痛みや出血などの総称です。
代表的なものに「痔核(いぼ痔)」「裂肛(きれ痔)」「痔瘻(あな痔)」があります。
痔核(いぼ痔)
肛門周囲の静脈がうっ血し、腫れた状態です。
内側にできる「内痔核」と外側にできる「外痔核」に分けられ、痛みや出血の程度は痔核の部位によって異なります。
裂肛(きれ痔)
硬い便の通過などにより肛門が裂けた状態です。
強い痛みを伴うことが多く、排便を避けることで便秘が悪化し、慢性化することもあります。
痔瘻(あな痔)
感染により肛門周囲に瘻孔(トンネル)が形成された状態です。
発熱や強い痛みを伴うことがあり、外科的治療が必要となるケースが少なくありません。
症状
主な症状は肛門の痛みや出血です。
排便時の出血や違和感、肛門周囲の腫れ、かゆみや分泌物などを伴う場合もあります。
強い痛みや腫れが急激に悪化する場合には、感染や炎症が疑われるため医療機関の受診が必要です。
原因
排便時の負担や肛門周囲のうっ血が主な原因です。
長時間の座位姿勢、便秘や下痢などによる肛門周囲への負担によって起こりやすくなります。
また、過度なストレスや運動不足によって血流が滞りやすくなることも一因です。
治療方法
生活習慣の見直しと保存療法が中心です。
排便習慣の改善、水分や食物繊維の摂取、長時間の同一姿勢を避けることが基本となります。
症状に応じて軟膏や坐薬が処方され、重症例では外科的治療が検討されます。
慢性的な便秘などにより痔疾を繰り返す場合には、鍼灸がおすすめです。
鍼灸の効果
鍼灸には自律神経と血流を整える作用があります。
排便機能や血流は自律神経の影響を受けるため、慢性的な緊張状態や生活リズムの乱れは症状悪化の一因になります。
自律神経を整えて、血流や緊張状態を緩和することは、排便の安定や局所のうっ血軽減につながります。
施術を検討する目安
医療機関で外科的治療が必要なケースでないと判断されている状態で、
- 生活習慣を整えても再発を繰り返している
- 慢性的な便秘や自律神経の乱れが背景にあると感じる
このような場合に、鍼灸を検討する目安になります。
鍼灸を受ける際の注意点
鍼灸は比較的安全性の高い施術とされていますが、お身体に鍼を用いる以上、内出血やだるさなどの反応がみられることがあります。
副反応については『鍼灸の副反応(内出血やだるさ)について』もあわせてご確認ください。
こうした特徴を踏まえたうえで、症状や体調に応じて施術を検討していくことが大切になります。
当室の考え方
炎症や発熱がある場合は、医療機関での対応が優先されます。
当室では、外科的治療に代わるものとしてではなく、排便習慣や生活リズムを整え、再発を予防することを目的に鍼灸を行っています。
この記事の著者

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鍼灸師/港区白金で開業8年
安心してご相談いただける鍼灸院を目指し、日々施術に取り組んでおります。
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