糖尿病への対処と鍼灸治療の考え方
血糖値が慢性的に高い状態が続く「糖尿病」
糖尿病は医学的な管理が必須の疾患で、インスリン療法や内服薬によって血糖コントロールを行います。
生活習慣の見直しや抹消循環を整えることも大切で、鍼灸も有用なケースがあります。
今回は糖尿病への対処方法と鍼灸の考え方についてご紹介いたします。
糖尿病とは
インスリン作用の不足により血糖値が高くなる代謝疾患です。
インスリンは膵臓から分泌され、血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませる役割を担います。
この働きが低下すると高血糖状態が続き、血管や神経に慢性的な負担がかかります。
診断について
血糖値やHbA1cなどの検査を複数回実施し、基準値を超える状態が確認された場合に診断されます。
診断と管理は医療機関で行う必要があります。
症状
初期は無症状のことが多いのが特徴です。
進行すると倦怠感、口渇、多尿、体重減少などがみられることがあります。
長期的には網膜症、腎症、神経障害といった三大合併症のリスクがあります。
三大合併症
網膜症:網膜(眼の奥)の血管が破れることで、視力低下や失明につながります。
腎症:腎臓の血管が破れることで、腎不全を引き起こします。
神経障害:指先の感覚障害などを引き起こします。
原因
1型と2型で発症機序が異なります。
1型糖尿病
自己免疫などによりインスリン分泌が著しく低下するタイプで、インスリン補充が必要です。
遺伝的要因や環境要因が関与していると考えられています。
2型糖尿病
インスリン分泌不足やインスリン抵抗性が関与します。
日本の糖尿病患者9割以上が2型糖尿病ともいわれ、遺伝要因に加え、食生活や運動不足などの生活習慣が影響します。
治療方法
血糖コントロールを継続することが基本です。
インスリン療法、経口血糖降下薬、GLP-1関連薬などを使用し、医師の管理のもとで治療を継続します。
加えて、食事療法や運動療法も重要になります。
鍼灸の効果
鍼灸には血流改善や緊張緩和を通じて全身を整える作用があります。
糖尿病は循環不良から血管や神経をボロボロにしてしまう病気です。
循環不良に伴う末梢の冷えや神経症状に対し、循環改善を目的に施術が行われることがあります。
実際に糖尿病患者へ鍼灸を施した結果、HbA1c(血糖査数値)の改善がみられたとの報告もあげられており、鍼灸は糖尿病に伴う諸症状を改善する際の一助になります。
施術を検討する目安
主治医のもとで血糖管理が行われている状態で、神経症状や冷え、慢性的な倦怠感などの随伴症状がある場合には、鍼灸を検討する目安になります。
注意点
血糖コントロールが不安定な場合や感染リスクが高い状態では、施術内容に配慮が必要です。
施術を希望される場合は、必ず主治医に相談のうえご検討ください。
当室の考え方
糖尿病は専門的な医療管理が不可欠な疾患です。
当室では、血糖値を操作することではなく、神経症状や冷え、慢性的な疲労などの随伴症状を緩和する目的で鍼灸を行なっています。
この記事の著者

-
鍼灸は体の調整機能に働きかける療法ですが、
すべての症状に適しているわけではありません。
当室では、症状の背景や経過を確認したうえで鍼灸の適応を判断し、
その方にとって無理のない選択をご提案いたします。
この著者の最新記事一覧
鍼灸適応疾患以外に関する記事2026年3月9日病院と鍼灸は併用できるのか
鍼灸適応疾患以外に関する記事2026年3月8日どのような人が鍼灸を受けるのか
婦人科系2026年3月1日月経前症候群(PMS)への対処と鍼灸治療の考え方
運動器系2026年2月10日捻挫への対処と鍼灸治療の考え方
当室で施術対象の症状・疾患に関する記事
アクセス
東京都港区白金3-9-16 マロン白金3A
東京メトロ
白金高輪駅(4番出口)より 徒歩6分
白金台駅(2番出口)より 徒歩9分
都営バス
渋谷-新橋(赤羽橋)「四の橋」より徒歩3分
渋谷-田町「三光坂下」より徒歩3分



