膀胱炎への対処と鍼灸治療の効果
尿を溜める臓器の炎症「膀胱炎」
膀胱炎は細菌感染と免疫力低下により生じるため、抗生剤の服用や免疫力の向上が大切になります。
普段から免疫力が低下しやすい方には免疫力を整える効果のある鍼灸がおすすめです。
今回はそんな膀胱炎について綴らせていただきます。
膀胱炎とは
尿を溜める臓器「膀胱」で炎症が起こる病気です。
腸内に常在している細菌が、尿道から膀胱へ侵入する逆行性感染が主な原因です。
炎症反応のため、頻尿や排尿時痛といった排尿障害が現れます。
汗をかいて尿量の減る夏場は、細菌が繁殖しやすいため発症数が増える傾向がみられます。
尿路結石・糖尿病などの基礎疾患で膀胱炎が起こる場合や膀胱炎を繰り返す場合には、複雑性膀胱炎(慢性膀胱炎)の可能性が考えられ、基礎疾患をコントロールして改善していく必要があります。
症状
頻尿、排尿時痛、尿濁(細菌の影響で尿が濁る)が主な症状です。
他に血尿や残尿感といった症状もありますが、膀胱炎は発熱が起きない特徴があります。
もし発熱や腰痛も同時に現れた場合には「腎盂腎炎」という細菌が腎臓にまで達して炎症を起こしている可能性が考えられます。
原因
免疫力低下と細菌感染です。
膀胱炎の8割は細菌感染により引き起こされます。
細菌に感染した場合にも免疫力が高い状態であれば発症しませんが、過労やストレス、睡眠不足や月経などの体力消耗時には発症しやすい傾向があります。
また、尿意の我慢も細菌増殖につながるため注意が必要です。
治療方法
薬物療法が中心になります。
膀胱炎は細菌感染が主な原因で発症するため、抗生物質の服用と休息で回復を図ります。
症状は3〜7日程で落ち着きますが、改善しない場合は複雑性膀胱炎や他疾患の可能性も考えられます。
過労やストレスにより免疫力が低下しやすい方には鍼灸がおすすめです。
鍼灸の効果
鍼灸は自律神経と血流を整えることで免疫力を高めます。
免疫力の低下には、免疫細胞の活性が低下している場合と免疫細胞のバランスが乱れることで働きが低下している場合があります。
免疫細胞にはウイルスに対応する細胞、細菌に対応する細胞などいくつものグループがあり、グループ間のバランスを自律神経が調整しています。
鍼灸刺激による免疫の活性化や自律神経を整えて免疫細胞を適度なバランスに調整することで、細菌感染の予防につながります。
『自律神経に関する詳細はこちら』
また、排尿痛や頻尿などの諸症状に対しても、膀胱粘膜の過敏性改善や膀胱筋肉(膀胱平滑筋)の伸展性低下にアプローチすることで自覚症状の改善が期待できます。
そのため「膀胱炎を繰り返す方」や「自覚症状が強く現れている方」におすすめです。
頻尿や排尿痛を感じたら
膀胱炎の8割は細菌感染により免疫力低下した時に引き起こされます。
頻尿や排尿痛といった症状は膀胱炎以外でも生じるので、まずは泌尿器科の受診をご検討ください。
抗生剤の服用や休息をしても膀胱炎を繰り返してしまう方は免疫力の向上に鍼灸がおすすめです。
この記事の著者
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『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。
鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。
当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
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