膀胱炎への対処と鍼灸治療の効果
頻尿や排尿時痛を伴う「膀胱炎」の原因は8割以上が細菌感染になります。
膀胱炎になってしまった場合には抗生剤を服用して完治を目指しますが、お身体の免疫力が低下してしまっている場合には膀胱炎を繰り返す「慢性膀胱炎」へと移行してしまうケースがございます。
そんな膀胱炎の予防には、鍼灸治療で体質改善を図ることが大変効果的です。
今回はそんな膀胱炎について綴らせていただきます。
膀胱炎とは
伸縮性がある粘膜によって尿をためる役割を持つ「膀胱」
膀胱に大腸菌などの細菌が侵入して炎症を起こした状態が膀胱炎になります。
膀胱炎はお身体の構造上、細菌が侵入しやすい女性に多く見受けられます。
また、汗をかいて尿量が減る夏場に起こし易くなるのも特徴です。
症状
膀胱炎の3大症状として、
- 頻尿(10分間隔で起こる尿意)
- 排尿時痛(排尿終了時の下腹部や尿道口痛)
- 尿濁(細菌の影響で尿が濁る)
が挙げられます。
他にも「血尿」や「残尿感」といった症状もありますが、膀胱炎では発熱が起きないのが特徴の1つです。
発熱や腰痛も症状として現れた場合には「腎盂腎炎」といって細菌が腎臓にまで達している可能性も考えられますので、
- 長期間症状が改善しない
- 発熱や腰痛も伴う
といった場合には泌尿器科を早期に受診されることをお勧め致します。
種類と原因
膀胱炎は、
- 急性膀胱炎
- 慢性膀胱炎
- 非感染性膀胱炎
の3つに大きく分けられます。
急性膀胱炎(単純性膀胱炎)
一般的に呼ばれている膀胱炎になります。
殆どの原因が大腸菌による感染症で、
- 過労やストレス
- 睡眠不足や冷え
- 月経(妊娠)や性交渉後
などの体力の消耗している時に起こりやすい特徴があります。
また、尿意の我慢などにより細菌が増殖してしまうことで生じるケースもあるので尿意を我慢しすぎることにも注意が必要です。
慢性膀胱炎(複雑性膀胱炎)
主な症状は急性膀胱炎と同じになりますが、症状が比較的軽い特徴があります。
慢性膀胱炎(複雑性膀胱炎)は、
- 前立腺肥大症
- 膀胱(尿路)結石
- 糖尿病や腫瘍
など何かしらの基礎疾患がベースにあるため、基礎疾患をコントロールして改善していく必要があります。
非感染性膀胱炎
細菌感染以外の原因で生じる膀胱炎です。
代表的なものに「間質性膀胱炎」と「出血性膀胱炎」が挙げられます。
間質性膀胱炎
膀胱内側の壁に尿が浸み込んでしまう事で炎症が続く原因不明の疾患です。
他の膀胱炎と違い「蓄尿」によって痛みが生じ、「排尿」で痛みが軽減することが特徴です。
細菌が原因ではないため抗生剤が効かず、男女比は女性が9割と多く見受けられます。
出血性膀胱炎
細菌が見当たらないにも関わらず、血尿症状を伴う膀胱炎です。
原因として、
- アレルギー
- ウイルスや癌(がん)
- 薬の副作用
など多岐にわたります。
血液が尿道を塞いでしまいそうな場合など、重篤な場合には手術を行う事もあります。
治療と予防
頻尿や排尿時痛など症状の確認に加え、尿中の白血球数や細菌の特定を行った後に治療となります。
治療内容は炎症の原因である大腸菌などを抗生剤を服用して治療する方法が一般的です。
症状は3日〜7日程で落ち着いてくるとされます。
膀胱炎は妊娠時期に発症するケースもあるため、妊娠の可能性が考えられる際には必ず担当の医師にその旨をお伝え下さい。
予防
膀胱炎を繰り返さないためにも、以下2点には気をつけるようにしてください。
- 細菌が増殖し辛い状態を保つ
- 免疫力が低下しないようにする
細菌が増殖し辛い状態を保つ
- 水分を多く摂る
- 尿意を我慢しない
といったことを心がけ、排尿回数を増して膀胱に細菌が増殖することを防ぐ事も大切になります。
免疫力が低下しないようにする
冷えやストレスなど免疫力の低下は細菌が増殖しやすいお身体状態へとつながってしまいます。
そのため、食事のバランスや睡眠・入浴がとても大切になります。
また、鍼灸も免疫力向上にお勧めです。
鍼灸が効果的な理由
鍼灸治療で膀胱炎の起こり辛いお身体へと体質改善することができます。
鍼灸治療では主に、
- 骨盤内の循環を良くする事で膀胱の機能を整える
- 冷えや浮腫みを抑えて全身を整える
- 自律神経を整える事で免疫力を高め、細菌感染に負けない状態を保つ
などの効果を期待する事ができます。
また、便通改善が膀胱炎の予防につながるケースもありますので、便秘症の場合には併せて便秘の改善を行うことも効果的です。
まとめ
膀胱炎の主な原因は細菌感染で起こり、抗生剤を服用して治療を行います。
症状の種類や状態は様々ですが、
- 発熱や腰痛も伴う
- 長期間症状が改善しない
といった場合には泌尿器科を早期に受診されることをお勧め致します。
また、膀胱炎を予防するには、細菌が増殖し辛い、免疫力の低下しないお身体の状態を保つことがとても大切になります。
諸症状の改善や免疫力を整える方法として鍼灸治療をご検討されることをお勧め致します。
この記事の著者

-
『白金のかかりつけ鍼灸院』を目指し、日々鍼灸臨床に励んでおります。
鍼灸治療は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。
当治療室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。
この著者の最新記事一覧
2023年7月24日脱毛症への対処と鍼灸治療の効果
2023年7月18日シンスプリントへの対処と鍼灸治療の効果
2023年2月24日鍼灸マッサージの保険適用について
2022年12月2日後脛骨筋腱炎への対処と鍼灸治療の効果
各症状(疾患)に関する記事
神経系 | 肋間神経痛・手足の痺れ・不眠症・坐骨神経痛・頭痛・自律神経失調症・顔面神経麻痺・むずむず脚症候群・不安神経症 |
---|---|
運動器系 | 肩凝り・四十肩・腰痛・股関節痛・膝痛・腓骨筋腱炎・足底腱膜炎・ドケルバン症候群・ゴルフ肘・上腕二頭筋長頭腱炎・骨折、打撲、捻挫・脳卒中後遺症・寝違え・テニス肘・後脛骨筋腱炎・シンスプリント |
消化器系 | 下痢・便秘・胃の痛み(胃炎)・胃・十二指腸潰瘍・痔疾(ぢ) |
循環器系 | 冷え性・高血圧・低血圧・心臓神経症・動脈硬化 |
感覚器系 | 眼精疲労・アトピー性皮膚炎・突発性難聴・耳鳴り・メニエール病・ものもらい・結膜炎・花粉症(アレルギー性鼻炎)・めまい(眩暈・目眩) |
呼吸器系 | 風邪症候群・喘息(気管支喘息) |
婦人科系 | 不妊症・逆子・月経痛・乳腺炎 |
代謝内分泌系 | 糖尿病・痛風・脚気・関節リウマチ(RA) |
泌尿生殖器系 | 前立腺肥大症・膀胱炎・陰萎(ED)・過活動膀胱(OAB) |
その他 | 全身倦怠感・更年期障害・脱毛症 |
アクセス
東京都港区白金3-9-16(マロン白金3A)
東京メトロ
白金高輪駅(4番出口)より 徒歩6分
白金台駅(2番出口)より 徒歩9分
都営バス
渋谷-新橋(赤羽橋)「四の橋」より徒歩3分
渋谷-田町「三光坂下」より徒歩3分