関節リウマチ(RA)への対処と鍼灸治療の考え方
関節に腫れや痛みを引き起こす「関節リウマチ(RA)」
関節リウマチは進行性の疾患であり、早期発見と治療によって関節破壊を抑えることが重要です。
薬物療法を中心に行われ、鍼灸を併用することで、疼痛緩和や関節機能維持の一助になります。
今回は関節リウマチへの対処方法と鍼灸の考え方についてご紹介いたします。
関節リウマチとは
RAは、関節滑膜に慢性的な炎症と増殖が生じる全身性の自己免疫疾患です。
関節滑膜は関節の動きを滑らかにし、関節軟骨へ栄養を供給する役割を担っています。
この滑膜に炎症が起こることで、関節の痛みや腫れ、動かしにくさといった症状が現れます。
国内の患者数は約70万人とされ、男女比は1:3〜4で女性に多い疾患です。
血液検査(リウマトイド因子、抗CCP抗体)、炎症反応、症状の持続期間などを総合的に評価して診断されるため、専門医による管理が行われます。
症状
主な症状は関節のこわばり、腫れや痛みです。
特に、指の第二関節(PIP関節)や親指の付け根(MP関節)に症状が出やすい傾向があります。
「朝のこわばり」が特徴的で、起床後しばらく指が動かしにくいと感じる方も少なくありません。
温めたり動かすことで軽減する場合もありますが、炎症が持続すると関節破壊や変形が進行し、痛みや機能障害が強くなります。
また、全身性の炎症疾患であるため、倦怠感や微熱、貧血症状などがみられることもあります。
※類似疾患に変形性関節症(OA)がありますが、OAは第一関節(DIP関節)に多い点が異なります。
原因
明確な原因は特定されていません。
免疫機能が自分自身の組織を誤って攻撃してしまう、自己免疫反応が関与すると考えられています。
発症には、遺伝的要因や喫煙などの環境要因、ストレスなど、複数の因子が重なって関与すると考えられています。
治療方法
薬物療法やリハビリテーションが中心です。
炎症反応(CRP)や関節破壊の指標(MMP-3)を参考にしながら、抗リウマチ薬(メトトレキサート)やステロイド薬を用いて疾患活動性を抑制します。
リハビリテーションでは、関節機能の維持と日常生活動作の改善を目的に、運動療法や温熱療法が行われます。
鍼灸の効果
鍼灸には、血流改善による保温効果、筋緊張の緩和、自律神経の調整といった作用があります。
関節リウマチは、炎症に加えて末梢循環の低下や筋緊張が痛みや動かしづらさに影響することがあり、末梢循環の改善や筋緊張の緩和は、痛みやこわばりの軽減につながります。
また、迷走神経を介した自律神経反射により、炎症反応の調整に関与する可能性が示唆されている研究もあります。
薬物療法と併用した群で、痛みや機能面の改善が認められた報告もあり、症状が比較的安定している時期の補助療法として鍼灸を検討する意義があると考えられます。
施術を検討する目安
医療機関で関節リウマチと診断され、治療を継続しているうえで、
- 病勢は安定ているが、関節の痛みやこわばりが残っている
- リハビリや温熱療法と併せたケアを検討している
といった場合に、鍼灸の併用を検討する目安となります。
当室の考え方
関節リウマチは、医療機関での診断と薬物療法が最優先となる疾患です。
当室では、関節破壊を止めることや疾患そのものを治す目的で鍼灸を行うことはありません。
主治医の治療方針に併せて、こわばりの軽減や痛みの緩和、日常生活動作の補助を目的に鍼灸を行っています。
この記事の著者

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鍼灸は体の調整機能に働きかける療法ですが、
すべての症状に適しているわけではありません。
当室では、症状の背景や経過を確認したうえで鍼灸の適応を判断し、
その方にとって無理のない選択をご提案いたします。
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