寝違えへの対処と鍼灸治療の考え方

起床時から首が痛く、動かそうとすると強い痛みが現れる「寝違え」

寝違えは数日で自然に改善するものから、1週間以上痛みが続くケースまでさまざまです。

筋緊張の強い場合には、鍼灸で筋肉を緩め、バランスを整えることが回復の一助となります

今回は寝違えへの対処方法や鍼灸の考え方についてご紹介いたします。

寝違えとは

寝違えは、首や肩周囲の筋肉が部分的に強く緊張し、痛みを生じている状態を指します

医学的には「急性疼痛性頚部拘縮」と呼ばれることもあります。

就寝中に首を不自然な角度で長時間保つことで、筋肉や靱帯に過度な負担がかかり、炎症が生じることで首や肩甲骨の周囲に痛みが現れます。

症状

主な症状は、首から肩甲骨周囲にかけての痛みや動かしづらさです

首の付け根付近のみが痛む場合もあれば、肩甲骨周囲まで違和感が広がるケースもあり、症状の現れ方には個人差があります。

無理に動かすと痛みが強くなる一方で、安静にしていると少し楽になる、といった経過をたどることも少なくありません。

原因

寝違えの正確な原因は、明確には分かっていません

一般的には、就寝中の同一姿勢が長時間続くことで一部の筋肉が強く緊張し、血流が低下した状態(阻血)で動かした際に筋肉や靱帯を痛め、炎症が起こると考えられています。

特に、首から肩甲骨にかけて走行する「肩甲挙筋」や「頸部周囲筋」が関与することが多く、

  • 長時間の横向き姿勢
  • 急な運動やスポーツ

などがきっかけとなることもあります。

なかでも、ゴルファーの方がスイング改善に一生懸命取り組まれて痛めるケースも少なくありません。

肩甲骨の内側に不快感を感じた状態でプレーを続けてしまうと、肩甲挙筋を痛めてしまいますので、念入りなストレッチや鍼灸で筋肉のコンディションを整えておくことも大切です。

対処方法

首を無理に動かさず、安静を優先することが大切です

一般的には、時間の経過とともに徐々に痛みが和らぎ、1週間程度で落ち着くことが多いとされています。

寝違えから2.3日(約48時間)の初期は患部で炎症が生じているため、痛めた当日は消炎鎮痛作用のある湿布を貼ることも効果的です。

痛みが緩和してきたら、温めたり、患部を軽めにストレッチすると筋緊張緩和につながります。

一方で、痛みやしびれが強い場合には頚椎椎間板ヘルニアなど、他の病気による可能性も考えられますので整形外科を受診をご検討ください。

予防方法

寝返りが少なく同一姿勢が続くと、筋肉が部分的に固まりやすくなります。

首に負担のかかりにくい寝具を選び、自然な寝返りが行える睡眠環境を整えることが大切です。

また、冷えは血流低下や筋肉の硬直につながりやすく、寝違えは季節の変わり目に寝違えが起こりやすい方もいます。

そのため室内の温度調節や冷え対策も予防につながります。

泥酔状態での睡眠には要注意

アルコールは入眠しやすくなる一方で、睡眠の質を下げたり、寝返りが減ったりすることで同一姿勢が続きやすくなります。

結果として首肩周囲への負担が増え、寝違えのリスクが高まることがあります。

鍼灸の効果的

鍼灸には、筋肉の緊張を緩和して、血流を促す作用があります

寝違えでは、肩甲挙筋や頸部周囲筋の過緊張が関与しているケースが多く、鍼灸では状態に応じて筋緊張の強い部位へアプローチすることが可能です。

筋緊張を緩和して、血流が保たれやすくなることで、阻血状態の改善や炎症の回復を助ける効果が期待できます。

また、痛みをかばって生じる二次的なこわばりの軽減につながる場合もあります。

施術を検討する目安

寝違えは時間の経過で改善することも多いため、まずは安静を優先し、痛みの変化をみることが基本になります。

そのうえで、数日たっても動かしづらさが強い、痛みをかばって首肩のこわばりが広がってくる場合には、鍼灸を検討する目安になります。

一方で、力が入りにくい、痛みが強いといった場合には医療機関での評価が優先されます。

当室の考え方

寝違えは、症状の経過や状態によっては医療機関での検査や治療が優先される場合があります。

当室では、寝違えに対して「痛む部位だけを施術する」のではなく、どの動きで痛みが出るか、首肩周囲の緊張がどのように変化しているかを確認したうえで、鍼灸が適しているかを判断しています。

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
鍼灸は体の調整機能に働きかける療法ですが、
すべての症状に適しているわけではありません。

当室では、症状の背景や経過を確認したうえで鍼灸の適応を判断し、
その方にとって無理のない選択をご提案いたします。

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