シンスプリントへの対処と鍼灸治療の考え方
運動時に脛の内側に痛みを感じる「シンスプリント」
シンスプリントは、脛骨周囲で炎症が生じている状態のため、まずは安静にすることが大切です。
また、鍼灸で筋肉の過緊張を緩和することが、回復環境を整える一助になります。
今回はシンスプリントへの対処方法と鍼灸の考え方についてご紹介いたします。
シンスプリントとは
シンスプリントは、脛骨の内側に沿って炎症や疼痛が生じる状態を指します。
ランニングやジャンプ動作などの反復により、脛骨周囲の筋肉・腱・骨が繰り返し負荷を受け、筋肉の付着部に牽引ストレスがかかることで炎症が起こると考えられています。
運動量や運動環境の変化と関連しやすく、部活動や競技スポーツに取り組む学生に多くみられるのも特徴です。
症状
主な症状は、脛骨内側に沿った鈍い痛みや圧痛です。
初期段階であれば運動時のみ痛みを感じますが、進行すると運動後にも痛みが残ったり、安静時にも違和感を覚えるようになることがあります。
- 安静時に持続する痛みがある
- 痛む部位が限局性していてピンポイントに強い
などの場合には、疲労骨折の可能性も否定できないため、早めに整形外科を受診することが大切です。
原因
代表的な原因は下肢筋肉の使い過ぎ(オーバーユーズ)です。
過度な練習量の増加・硬い路面や合わないシューズなど、複数の要因が重なって発症するケースが多くみられます。
脛骨には多くの筋肉が付着しているため、どの筋肉に負担が集中しているかによって、痛みの出る位置や性質が異なります。
前外側シンスプリント
脛の前面外側が痛むタイプです。
脛の前外側に痛みが出るタイプで、前脛骨筋や長母趾伸筋など、足関節を背屈させる筋肉が関与します。
足首を反らす動作で痛みが強くなる傾向があります。
後内側シンスプリント
脛の後内側に痛みを感じるタイプで、多くの方がこちらに該当します。
後脛骨筋や長趾屈筋など、足関節を底屈させる筋肉が脛骨に牽引ストレス加えることで痛みが生じます。
後脛骨筋が強く関与している場合には、内くるぶし周囲に痛みが出る「後脛骨筋腱炎」との鑑別も重要になります。
『後脛骨筋腱炎についてこちらの記事で詳しく解説しています』
治療方法
治療の基本は保存療法です。
運動量を調整し、アイシングなどで炎症を落ち着かせることが重要になります。
痛みや腫れが強い場合には、医師の判断により薬物療法が行われることもあります。
また、フォームの見直しやインソールを含めたシューズ調整は、再発予防の観点からも有用です。
鍼灸の効果
鍼灸には、筋肉の緊張を緩和して、血流を促進する作用があります。
シンスプリントでは、筋肉の過緊張によって骨の付着部に過度な牽引ストレスがかかることが、痛みの一因と考えられています。
鍼灸は、脛骨内側の圧痛部に加え、後脛骨筋や長趾屈筋など、個々の状態に応じた筋肉へアプローチすることが可能です。
そのため、原因となっている筋肉の緊張を和らげ、循環環境を整えることは、回復の一助となります。
施術を検討する目安
運動量の調整と安静を優先したうえで、
- 安静にしていても回復が遅い
- 練習を再開するとすぐに痛みが再発する
- 筋肉の張りや違和感が強く残っている
このような場合に、鍼灸を検討する目安となります。
当室の考え方
安静時痛が強い場合や、疲労骨折が疑われる場合には、鍼灸の適応とはならず、医療機関での評価が優先されます。
当室では、筋肉の緊張や体の使い方の偏りを整え、回復を妨げている要因を軽減する目的に鍼灸を行っています。
この記事の著者

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鍼灸は体の調整機能に働きかける療法ですが、
すべての症状に適しているわけではありません。
当室では、症状の背景や経過を確認したうえで鍼灸の適応を判断し、
その方にとって無理のない選択をご提案いたします。
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