うつ病への対処と鍼灸治療の考え方
気分の落ち込みが長期間続く「うつ病」
ストレスや脳内の神経伝達物質の変化など、さまざまな要因が重なって起こる病気です。
休養と薬物療法を中心に、心身の緊張が強い際には鍼灸も有用です。
今回はうつ病への対処方法と鍼灸の考え方についてご紹介いたします。
うつ病とは
気分の落ち込みや意欲低下が一定期間以上持続し、日常生活に支障をきたす状態をいいます。
気分障害には、憂うつで気分が沈んだ状態の続く「うつ病」、気分の高揚(躁状態)を伴う「双極性障害」などがあります。
症状
精神症状と身体症状の両方が現れることが特徴です。
以下9項目のうち5つ以上が2週間以上ほぼ毎日みられる場合に、うつ病が疑われます。
- 抑うつ気分
- 興味や喜びの消失
- 食欲の減退または増加
- 不眠または過眠
- 精神運動の焦燥または制止
- 疲労感・倦怠感
- 無価値感や過度な罪責感
- 思考力や集中力の低下
- 死についての反復思考
特に「死についての反復思考」がみられる場合は、速やかに精神科や心療内科の受診が必要です。
原因
遺伝的要因、性格傾向、社会環境、強いストレスなどが複合的に関与します。
セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の変化や、慢性的なストレスによるストレスホルモン(コルチゾル)の過剰分泌による神経細胞の機能低下が、意欲の低下に関与すると考えられています。
また、薬剤の副作用や他疾患に伴って抑うつ症状が現れることもあります。
治療方法
休養と薬物療法が中心です。
抗うつ薬や抗不安薬を中心に、必要に応じて認知行動療法などの心理療法が併用されます。
回復には時間がかかることが多く、症状が安定しても一定期間の服薬継続が推奨されています。
また、自律神経症状の強い場合には鍼灸も効果的です。
鍼灸の効果
鍼灸には自律神経の働きや血流を整える作用があります。
うつ病に伴って現れる不眠、倦怠感、冷えなどの症状は、自律神経の乱れや血流悪化を整えることが、全身の負担軽減につながります。
脳血流や神経活動に変化がみられたという研究報告もあり、薬物療法との併用に鍼灸治療も候補の1つとしてあげられます。
施術を検討する目安
精神科や心療内科での治療を前提に、
- 倦怠感や不眠、身体のこわばりが強い
- ストレスによる自律神経症状(冷え、動悸、頭痛など)が目立つ
このような場合に、鍼灸を検討する目安になります。
鍼灸を受ける際の注意点
鍼灸は比較的安全性の高い施術とされていますが、お身体に鍼を用いる以上、内出血やだるさなどの反応がみられることがあります。
副反応については『鍼灸の副反応(内出血やだるさ)について』もあわせてご確認ください。
こうした特徴を踏まえたうえで、症状や体調に応じて施術を検討していくことが大切になります。
当室の考え方
うつ病は医療機関での治療が最優先です。
当室では、うつ病そのものを治すという目的ではなく、身体的緊張や自律神経を整えて不調の波を小さくすることを目的に鍼灸を行っております。
この記事の著者

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鍼灸師/港区白金で開業8年
安心してご相談いただける鍼灸院を目指し、日々施術に取り組んでおります。
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