眼瞼痙攣(がんけんけいれん)への対処と鍼灸治療の考え方

目がショボショボする、瞼(まぶた)を開けていることが辛いと感じる「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」

眼瞼痙攣は明確な原因が特定されていない疾患で、ボツリヌス療法などの治療が中心となります。

疲労やストレス悪化しやすく、鍼灸で全身状態を整えることも回復の一助になります。

今回は眼瞼痙攣への対処方法と鍼灸の考え方についてご紹介いたします。

眼瞼痙攣とは

瞼を意識通りに開け続けることが難しくなる疾患です

「痙攣」という名称から瞼がピクピク動く印象を持たれがちですが、実際には瞼が重く感じる、目を開けていられない、瞼が下がってくるといった症状が主体になります。

視野が狭くなることで、歩行中に物にぶつかるなど、日常生活に支障が出るケースもあります。

なお、顔の片側がピクピク動く「片側顔面痙攣」とは別の疾患であり、混同しないことが大切です。

『片側顔面痙攣についてはこちらの記事で詳しく解説しています』

原因

眼瞼痙攣の明確な原因は現在のところ特定されていません

多くの方で、睡眠不足や疲労、精神的ストレスによって症状が悪化しやすい傾向がみられます。

瞼の開閉や保持に関与するミュラー筋は自律神経(交感神経)の影響を受けるため、自律神経のバランスが乱れている状態では症状が強く現れる可能性が考えられています。

また、パーキンソン病や脳血管障害に伴って現れる「症候性眼瞼痙攣」や、ベンゾジアゼピン系薬剤の影響による「薬剤性眼瞼痙攣」など、背景疾患や服薬が関与する場合もあります。

治療方法

症状の程度や背景に応じて、医療機関での治療が基本となります

主に以下の方法が検討されます。

薬物療法

抗不安薬などが処方される場合がありますが、効果には個人差があり、十分な改善が得られないケースもあります。

ボツリヌス療法

現在、治療の中心となる方法です。

ボツリヌス毒素を用いて瞼周囲の筋緊張を抑えることで、開閉をしやすくします。効果は数か月持続することが多く、保険適用となっています。

外科的療法

重症例では、瞼を持ち上げる機能を補助する手術(タッキング術)が検討される場合もあります。

鍼灸の効果

鍼灸にはストレスの緩和や自律神経を整える作用があります

瞼は上眼瞼挙筋(動眼神経)で上瞼を持ち上げ、ミュラー筋がその状態を保持をしています。

瞼の保持に関与するミュラー筋は自律神経(交感神経)の影響を受けるため、睡眠から覚醒への移行時など、自律神経が切り替わるタイミングで症状を強く感じる方も少なくありません。

鍼灸では自律神経のバランスを整え、疲労やストレスを緩和することで、症状の増悪要因に間接的に働きかけることが可能です。

施術を検討する目安

医療機関での治療を受けているものの、

  • 疲労やストレスで症状が悪化しやすい
  • 症状の波が大きく、体調の影響を受けやすい

このような場合には、鍼灸を検討する目安になります。

当室の考え方

当室では、医療機関での診断・治療を前提としたうえで、疲労やストレス、自律神経の乱れといった「悪化要因」に対して鍼灸を行なっています。

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
鍼灸は体の調整機能に働きかける療法ですが、
すべての症状に適しているわけではありません。

当室では、症状の背景や経過を確認したうえで鍼灸の適応を判断し、
その方にとって無理のない選択をご提案いたします。

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鍼灸:8,000円〜(税込)
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