鍼とお灸の施術効果の違いについて

同時に用いられることの多い、鍼とお灸は「からだへの刺激」に違いがあります

そのため、施術の目的により併用する場合もあれば、どちらか一方のみで施術するケースもあります。

今回はそんな「鍼とお灸の効果」について綴らせていただきました。

そもそも鍼灸とは

気になる箇所やツボに鍼灸を施し、からだの持つ自然治癒力を引き出す伝統的な治療方法です。

ツボとは経験の積み重ねにより、刺激を与える事で何らかの効果が現れるポイントをいいます。

そのため、患部から離れた箇所に刺激をしても特定の部位に血流が増えるなどの変化が起こります。

鍼とお灸はどちらも「自然治癒力を引き出す」という点では共通していますが、アプローチ方法や効果の現れ方に違いがあります。

鍼(はり)の特徴

鍼を刺す深さや角度を調整することで、ツボを刺激する療法です。

使用する鍼は髪の毛ほどの細さで、筋肉に刺さりやすい「釘」のような先端形状をしています。

一般的には、使い捨ての滅菌された鍼を使用するため感染などの心配はありません。

鍼の太さ・長さは様々で、市販で最も長い物では9センチ程の長さがあります。

そのため「指では届かない深さ」や「ピンポイントに刺激を加える」ことができます。

鍼が効く理由

鍼はからだ(細胞)にわざと微細な傷をつけることで血流の改善を促します。

鍼をすると、からだは「異物が入ってきた」と判断し、異物(鍼)を追い出すために血管を広げます。

この作用により「凝り固まっている筋肉」や「神経の側」に鍼を用いることで、周囲の血流が回復するため、凝りや痛みを改善できます。

また、鍼灸院によっては鍼に低周波の電気を流す「電気鍼」も使用することもあり、部分的な凝りを緩めたり、鎮痛効果を期待することもできます。

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お灸(きゅう)の特徴

乾燥させた「艾(もぐさ)」を円錐形に整えて燃やすことで、ツボに熱を伝える療法です。

艾(もぐさ)はヨモギの葉を原料としており、ヨモギの葉には鎮静作用などの効果もあります。

本来のお灸は、皮膚の上でお灸を燃やすことで、皮膚にわざと火傷を作る療法が行われてきました。

しかし、小さな火傷痕が残ってしまうことから、昨今は千年灸のような火傷痕の残らないお灸(間接灸)が主流になりました。

そのため、現在のお灸は温熱刺激により温めることを目的に行われます。

※建物(テナント)の条件により、お灸を使用していない鍼灸院もありますので、お灸を希望されている方は事前に「お灸も行っているか」確認されることをおすすめします。

お灸が効く理由

温めること(温熱刺激)で血流を改善して、痛みなどを改善します。

からだの熱は血液によって運ばれておりますので、冷えた箇所を温めることで血流が改善して不快感を和らげてくれます。

冷えた部分を温める、広い範囲を温めるなど、状態に合わせて使うことができます。

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どう使い分けるべきか

からだの状態や体質によって、鍼とお灸のどちらが良いかは異なります

「免疫抑制中や出血し易い方」は医師から「鍼は控えて欲しい」と告げられる場合もあれば、ぶつけた直後など「患部で炎症が起こっている」際にお灸が適さない場合もあります。

制限のない場合には「心地良いと思える方法を施術者に伝える」ことが大切です。

リラックス状態は血流が改善し易く、痛みなどを感じ難くなるため、施術効果が高まります。

反対に苦手な刺激方法を我慢していると、からだが強張って思うような効果を得られなくなります。

鍼灸を受けるうえで

からだの状態や症状によって鍼が適している場合もあれば、お灸を多用した方が良い場合もあります。

全てお好み通りに施術を行うことが結果につながる訳ではありませんが、施術中はリラックスして受けることが大切です。

そのため、からだの状態やご希望を話し合える鍼灸院に通われることをおすすめします

この記事の著者

中島 裕(Nakajima Yutaka)
中島 裕(Nakajima Yutaka)
「白金のかかりつけ鍼灸院」を目指し、日々鍼灸施術に励んでおります。

鍼灸は様々な症状の改善へ効果が期待できる一方、効果の期待出来ないものや病院での治療を優先した方が良いケースもございます。

当室では鍼灸適応を判別し、ご利用者様に最善の治療方法をご提案させていただきます。

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