心臓神経症(ダ・コスタ症候群)への対処と鍼灸治療の考え方
胸の痛みや動悸を感じ、心臓の病気ではないかと不安になる「心臓神経症(ダ・コスタ症候群)」
心臓神経症は心臓自体に異常が見つからず、過労やストレスが原因で起こります。
生活習慣の見直しや、鍼灸で自律神経を整えてストレスを緩和することも有用です。
今回は心臓神経症への対処方法と鍼灸の考え方についてご紹介いたします。
心臓神経症とは
心電図や血液検査などで明らかな心疾患が認められないにもかかわらず、胸部の違和感や動悸などの症状が持続する状態を指します。
きっかけとしては、健康診断で軽度の不整脈を指摘されたことや、過労・強いストレス体験などが挙げられます。
心臓の拍動に意識が向きやすくなり、「異常ではないか」という不安が強まることで、さらに動悸を感じやすくなるという悪循環が生じることがあります。
命に直結する疾患ではありませんが、症状が強い場合には日常生活に支障をきたすことがあります。
欧米では「ダ・コスタ症候群」という名前でも知られており、南北戦争に従軍した兵士たちが過度なストレスによって同様の症状が現れることから「兵士の心臓」とも呼ばれていました。
症状
代表的な症状は胸痛や動悸です。
胸がチクチクと痛む、心臓が強く打つ感じがする、息苦しさを感じるなど、心疾患と似た症状を呈するため、不安がさらに増幅される傾向があります。
活動時よりも安静時のほうが症状を自覚しやすいことも特徴の一つです。
原因
主な要因は緊張や不安などの精神的ストレスと考えられています。
心臓の拍動は自律神経によって調整されており、ストレス状態が続くと交感神経が優位になり、心拍数が上昇しやすくなります。
その状態で「心臓の異常ではないか」と不安が強まることで、さらに拍動を意識してしまい、症状を増幅させる循環が生じます。
治療方法
治療は不安の軽減や生活習慣の見直しが中心となります。
まずは循環器内科を受診し、心臓疾患がないことを確認することが最も重要です。
心電図や血液検査などで器質的な異常が否定された場合に、心臓神経症と診断されます。
必要に応じて薬物療法や心理的アプローチが行われることもあります。
鍼灸の効果
鍼灸には、自律神経のバランスを整える作用があります。
過度に高まった交感神経の働きを穏やかにすることは、リラックス状態への切り替えを円滑にします。
また、筋緊張の緩和や血流改善を通じて、胸部の違和感の軽減を補助する可能性があります。
施術を検討する目安
循環器内科で心臓に異常がないと診断されており、
- 動悸や胸部不快感が続き、不安感が強い
- 薬物療法に加えて体調管理の方法を探している
このような場合に、鍼灸を検討される目安になります。
当室の考え方
心臓神経症は心臓疾患の除外が最優先になります。
当室では、自律神経の乱れや緊張状態を整え、不安や過緊張による悪循環を和らげることを目的に鍼灸を行なっています。
この記事の著者

-
鍼灸は体の調整機能に働きかける療法ですが、
すべての症状に適しているわけではありません。
当室では、症状の背景や経過を確認したうえで鍼灸の適応を判断し、
その方にとって無理のない選択をご提案いたします。
この著者の最新記事一覧
鍼灸適応疾患以外に関する記事2026年3月9日病院と鍼灸は併用できるのか
鍼灸適応疾患以外に関する記事2026年3月8日どのような人が鍼灸を受けるのか
婦人科系2026年3月1日月経前症候群(PMS)への対処と鍼灸治療の考え方
運動器系2026年2月10日捻挫への対処と鍼灸治療の考え方
当室で施術対象の症状・疾患に関する記事
アクセス
東京都港区白金3-9-16 マロン白金3A
東京メトロ
白金高輪駅(4番出口)より 徒歩6分
白金台駅(2番出口)より 徒歩9分
都営バス
渋谷-新橋(赤羽橋)「四の橋」より徒歩3分
渋谷-田町「三光坂下」より徒歩3分



